それを手に入れる事により、それを失ったのである。
それを失う事により、それを手に入れたのである。

例えば、旨いコーヒーを1日に一杯だけ極上の一時に飲む事が出来たとしよう。
それは自分にとって極上のコーヒーとなる。
そのコーヒーをいつでも何処でも何度でも飲むことが出来るようになった時、また飲むようになった時。
今までに感じていた極上のコーヒーは無くなってしまう。
そして、そのコーヒーを一杯も飲むことが出来なくなった時、それは姿を現す。
以前よりも増して更なる極上となって…。
物事の価値とは変動する。
自分とその物事の距離感によって…。
近ければ大きくも見え、遠ければ小さくもなる。
近すぎて見えなくもなり、遠すぎても見えない。
その心理は逆にも作用し
遠く離れたものだから大切なものだと思い込んで届かぬものを恋い焦がれる。
無いものだからこそ手にしたいと思う。
本当は必要ではないとも気付かずに。
以前、このブログに『まずは自分が腹一杯になってから』と書いた。
自分を大切に…。とも書いた。
それらの言葉は安直にただそれを言っているのではなく、腹一杯自分に与えるのではなく、与えないことも与えることだと言うこと。
自分を大切にするとは、甘やかすことではなくむしろその逆と言っても良い。
見た目にはそうは映らないかも知れないが……。
