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あぬきちの妄想トラベル ~はれときどきゾウ~

現実と妄想をいったりきたり。たまにゾウ。

ホテル前に広がるプライベートビーチでのんびりしてると、
40歳くらいの日本人のおっさんが話しかけてきた。

「ボディクリーム貸してくれない?」

いいですよ、と僕はロクシタンのボディクリームを差し出した。

「しばらくここら辺にいるんで適当に返してください」

ありがとう、とおっさんは言い、ホテルのプールへと入っていった。

しかし、夕方になってもおっさんは出てこなかった。

僕はあきらめて帰ろうかと思ったけど、
ロクシタンのボディクリームはやっぱり惜しい気がした。

おっさんはただ返し忘れたのかもしれない。
プールの中に置き忘れたのかもしれない。

ダメもとで、僕はホテルのフロントへ行って事情を説明した。

でも英語だからなかなかニュアンスが伝わらない。

ようやく、ボーイが数人プールの方へと向かってくれた。
何とか意思は伝わったようだ。

しばらくして、スーツを着た支配人らしき紳士が近づいてきた。

「従業員一同探し回りましたが、お客様のボディクリームは見つかりませんでした。申し訳ありません。」

やっぱないよね。
お手数をかけてこちらこそ申し訳ない。

「…ですが、お客様がロクシタンを非常に愛しているという気持ちに私共は感銘を受けました。お詫びといっては難ですが、こちらをお受け取り下さい」

何だろうと思いつつ渡された袋の中を見ると、
ロクシタンのアメニティグッズがぎっしりと詰まっていた。

「たまたまですが、当ホテルのアメニティはロクシタンを使用しております」

僕は驚きと感動と恥ずかしさで、お辞儀を何度もしながらそそくさと後ずさってホテルを出た。

ああ、こんなときにチップをはずむべきなんだ!
僕は激しく後悔したが、またホテルに入っていく勇気はなかった。



というハートウォーミングな夢を見た。
なんなんだ。