最近、映画やテレビ、CMで、
観ない日はない、と言うくらい、
大活躍の江口のりこさん。
『悪人』などを手がけた、
ベストセラー作家・吉田修一の、
同名小説を、
『あまろっく』、『もし徳』の、
江口のりこさん主演で映画化した、
ヒューマンサスペンス。
母(風吹ジュン)が住む実家の、
敷地内の”離れ”で暮らす、夫婦。
結婚8年になる夫・真守(小泉孝太郎)と、
41歳の専業主婦・桃子(江口のりこ)。
子どもはいないが、それなりの幸せをつかみ、
義母からのストレスや、夫の無関心を避け、
石鹸教室の講師や、手のこんだ献立など、
それなりの暮らしで、毎日を充実させてきた。
しかし、周囲で相次ぐ不審火と、
不穏な出来事が、徐々に起こり始め、
次第に、平穏な日常が壊れていく。
監督は、「さんかく窓の外側は夜」の森ガキ侑大。
共演は小泉孝太郎、風吹ジュン、
馬場ふみか。
冒頭から、何も説明がないまま、
物語は進行し、よくある家庭の、
慎ましい日常風景を見ながら、
観客は、少しづつジグソーパズルのピースを、
スクリーンから拾い出す。
炊事、食事、ゴミ出しなど、
何気ない普通の演技や、会話、
間の取り方がリアルで秀逸!。
さすが、江口さん!。
かつては、有能なキャリアウーマンで、
仕事も出来て、何でもそつなく、
丁寧にこなし、義理の母親や、
夫を立てる桃子さん。
目と鼻の先の実家前での、桃子さんと、
義母とのやりとりが、なんとも自然で慎ましく。
本当の親子みたいで、リアル。
しかし、家族円満とは言っても、
三人の間の過去に、何かがあった事が伺える、
些細な表情が、微妙に気になる雰囲気。
それと、夫役の小泉孝太郎さんが、
別人のような演技を見せ目を惹く。
そして、この人の起こした行動がきっかけに、
物語は急速に加速し、悲劇のサスペンスと化し、
桃子はピンチに陥り、江口のりこが爆発する!。
江口のりこの真骨頂!。
この人しか、演じられない!。
緊張感が伝わってくるし、
どうやって事を収めるのか、
次の展開にハラハラ・・。
家庭も崩壊し、築いてきたものが、
全て失われ、自身の存在も否定され、
それでも、コメディーもように妙に笑える・・。
ボートレースのCMでも、お馴染みの江口さん。
ガタイが良くて、チェンソーが似合うし、
操作が上手くて、綺麗にカット出来てる!。
そして、過去にあった出来事を知ると、涙。
そりゃないよ!、真守。
ひどい奴!。
でも、主人公は、多くのものを失っても、
今まで背負っていた物から自由になった、
そんな清々しさが、伝わってきました。
登場人物は少なかったけど、
あの”離れ”の家も、キャストの一人でしたね。
柱のキズとか、いい演技していました。
忘れられない、捨てられないものがある!。
だからこそ、彼女は、リフォームしたがってた。
ラストは、潔かった。
それと、「ありがとう」という言葉は大事!。