昔、電波少年で話題になった、
『箱男』という、現代では、
コンプライアンス的にアウトな、
シリーズがありましたが、
「R62号の発明」、「砂の女」など、
哲学的、難解なSF小説を書く、
安部公房が、1973年に発表した、
同名小説「箱男」を、
永瀬正敏主演、石井岳龍が監督を務め、
映画が公開。
1997年、安部公房本人から、
当時の、石井監督に、
実写映画化を託されたものの、
クランクイン直前に撮影が頓挫。
それから27年後、ついに『箱男』の、
映画化を撮り終え、しかも、安部公房の、
生誕100年にあたる、2024年に公開という、
いわくのある作品。
物語は、ダンボールを頭からすっぽりとかぶり、
一方的に世界をのぞき見る“箱男”という、
都市伝説のような男の日常を追う、
カメラマン(永瀬)が、
箱男を観察するうち、次第に魅せら、
いつしか自身も、箱男となり、
数々の試練と、危険に襲われる、
”わたし”の物語。
「人間が、自己の存在証明を放棄し、
一方的に世の中を観察する、
その先にあるものとは何か?」
をテーマとし、その悪夢のような、
幻惑的な手法と難解な内容のため、
映像化は困難と言われていた。
映画館で見ると、覗き見しているのは、
「箱男」なのか、大勢の観客なのか、
境界線が曖昧になる、劇場でしか、
体感できない不思議な感覚。
永瀬さんの、鬼気迫る演技と、
浅野さんの変態ぶり、佐藤さんの不気味さ。
そして、白木さんのエロチシズムが合間って、
コメディーとも、ホラーともつかない、
昭和テイストで哲学的な、不思議な作品。
でも、なンか、こういうの好き!。
秘密基地のような、箱音の内部。
あんな空間に、アイテムが収まって、
丈夫で、全力疾走出来る程、軽い!。
『ドラえもん』の”四次元ポケット”みたいな、
ファンタジーの世界ですね!。
大型ブラウン管テレビの時代は、
人がすっぽり入る、頑丈な段ボール、
結構ありましたが、今は見ないな・・。
あの狭い空間て、なんか落ち着く。
ちなみに”段のボード”が、なまって、
”段ボール”。
”ボードの紙”が、なまって、
”ボール紙”。
ハロウインで、
「箱男」のコスプレする人、
増えるかも?。