先の世界大戦で敗北した、
「三国同盟」の、ドイツ、日本、イタリア。
平和になった戦後、
世界の自動車産業を牽引し、
欧米を遥かに凌ぐ高性能と、
安定性で世界を席巻してきたのは、
皮肉なことに、負けた「三国同盟」の車。
車に関してこの三国には、
他国に比べ、こだわりが違う!。
そんなイタリア車を代表する、”F1界の帝王”、
フェラーリ社の創始者、エンツォ・フェラーリ、
激動の1年を、構想30年を経て映画化。
時は1957年。
イタリア自動車メーカー、フェラーリの創始者、
元レーサーであり、カーデザイナーでもある、
エンツォは、前年に独り息子を亡くし、
パートナーのリナとの間に生まれた、
婚外子の存在を、妻にも知られ、
夫婦生活は破綻していた。
経営するフェラーリ社も、問題を抱え、
身売りしなければならない状況で、破産寸前。
まさに八方塞がりの窮地に立たされる。
この状況を打破すべく、
59歳のエンツォが選んだ道は、
イタリア縦断レース「ミッレミリア」の、
起死回生の優勝をかけて、挑戦するが・・。
監督はマイケル・マン、
主演はアダム・ドライバー。
共演はペネロペ・クルス、シャイリーン・ウッドリー、
パトリック・デンプシーら。
約70年前という、まだ日本に、
高速度道路すらない時代。
車に対する拘りと、スピリットを、
芸術の域にまで高め、手段を選ばず、
勝利へと邁進する、フェラーリの人物像。
ワンマンで唯我独尊、周囲に、
身勝手な振る舞いをしても、
身内には弱い・・。
ド迫力の「ミッレミリア」レースシーンは、
かなりリアルで、クラッシュシーンも、
目を覆いたくなるほど悲惨・・。
共同経営者でもあろ妻役の、
ペネロペ・クルスが素晴らしい!。
身勝手な夫に、ひたすら振り回され、
傲慢な姑さんに疲れ果て、ついにはキレる!。
それでも尚、夫やフェラーリ社を支え、
タフに生き抜こうとする鬼気迫る演技。
世界的に、内燃機関が、
EVに置き換われようとする昨今。
こんな熾烈な闘いが過去にあって、
車に情熱を注ぎ込んだ人物がいたンだ。
戦後、日本の産業を牽引し、
”日本車”の性能と信頼、安定性を、
世界に知らしめる事が出来たのは、
拘りと情熱、そして車が好きだと言う事!。
F1にも挑戦したり、資源の少ない国で、
いかに燃費を削り、安全で快適な車を作るか。
その歴史や文化は、ポッと出の、
中国や韓国には負けたくない!。
でも、手っ取り早くデータ捏造や、
粉飾決算する、最近の企業って、
スピリットを、失くしちゃったんですがね。
映画の方は、濃厚で全編熱く、
観応えありました。