蛇の道(邪道)ではなく、

 わりとミステリーの、

  王道を行っている映画でしたね。

 

 

1998年に公開された『蛇の道』を、

 黒沢清監督が、セルフリメイクした、

   リベンジサスペンス。

 

 

フランスの住む、

 ジャーナリストのアルベール・バシュレ

 (ダミアン・ボナール)は、

  8歳の愛娘を何者かに惨殺された。

 

遺体の損壊は酷く、臓器は抜かれていた。

 

犯人を捜し出し復讐することを、

 生きがいにしているアルベールは、

 

 パリで心療内科医として働く、

  新島小夜子(柴咲コウ)と、

   偶然、診察で知り合iい、 

 

 小夜子は、アルベールの犯人探しに、

  協力する事に・・。

 

 

事件には、かつてアルベールが、

 ジャーナリストとして探っていた、

  今は無き財団の存在が浮かび上がり、

 

 ふたりは、関係者を次々に拉致し、

  郊外のひと気のない廃屋に監禁して、

   精神的に追い詰め、娘の死の真相が、

    徐々に暴かれてゆくが・・・。

 

美しいフランスの街並や、

 緑豊かな別荘地を舞台に、

  緊張かのある復讐劇が、

   静かに進行する・・。

 

 

眼力鋭い、柴咲コウの存在感と、

 流暢なフランス語の演技や、

  粛々と敢行される、残任な復讐劇。

 

 

血みどろの、バイオレンスな復讐かと、

 身構えていると、精神的に追い込む、

  システマチックな、温度の低い拷問。

 

 

拉致監禁される関係者は、

 悪人には見えない、ごく普通の人。

 

複雑に入り組んだ真相に近づく度、

 感覚が麻痺してきて、本当に悪いのは、

  二人の方ではないか?。

 

 

娘の死の真相を知る事に、

 躊躇い出したアルベールとは逆に、

 

行くところまで、復讐をやめない小夜子の、

 ジワジワとくる、ホラーのような怖さ。

 

西島英彦も、もしかして関わっている?・・、

 と思わせる演出は、考え過ぎ?。

 

 

利益中心の、現代社会でも、

 誰かを犠牲にして、徳をしようと、

  シレッとして悪事に手を染める、

        罪悪感の希薄な輩が、組織化する・・。

 

全体的に、救いのない、

 後味の悪さに・・。

 

でも、出来は良いです・・。