野菜、高いですよね。
暖冬だと言われた今年の冬も、
作物の生育する時期に、寒い日が続き、
5月には雨の日が続き、葉物野菜が品薄で、
市場に出回らない・・。
また今年の夏も、
暑くなるそうなので、
ますます野菜が高くなりそう・・。
台風やゲリラ豪雨も、年々酷くなって、
降水量は増えるものの、
”マウンテンズ・ジャパン”と、呼ばれるくらい、
日本は、山間部が多く、降った雨の殆どが、
海に流れ、意外と飲める水は少なく、
とても貴重です。
これからの猛暑に備えて、梅雨の時期で、
どれ位の水が、農地に蓄えられるかによって、
農作物の作況指数が気になります。
そこで、海に囲まれた島国日本に、
救世主とも言われる、海水を利用し、
塩水でも生育する、少数の植物に着目した、
「海水農業」と言う、斬新な発想の農業が、
注目されています。
植物に塩水を与えると、枯れてしまうのは、
みなさん、よく知っていますよね。
でも、熱帯のマングローブや、クロマツなど、
海水に強い「耐塩性」の植物も多く生息し、
塩分濃度の高い土壌でも、作物を栽培している、
地域もあるそうです。
江戸時代の頃も、浜辺を埋めてて、
田んぼを作る際、塩に強い”綿花”を植えて、
土壌の塩分濃度を下げた後、稲作をする、
地域もありました。
ミネラルも豊富で、生育も良かったとか。
海水を真水にする技術もなかっと当時、
苦肉の策だと思いますが、当時から、
海水を農業に利用していたンですね。
実際今でも、ナスが青枯れする時には、
塩汁や海水などをかけると元気になり、
痩せて養分の少ない土壌には、
肥料の代わりに、海岸に打ち上げられた、
海藻を腐らせ、それを養分に芋を育てるなど、
海水は昔から農業に利用されており、
その有用性も知られていました。
海水の成分は、水96.6%と塩分3.4%で、
水はもちろん、植物の成長に、
欠かせない栄養ですが、
塩分にも、多くのミネラルや栄養分が含まれて、
植物の育成に有効な成分です。
もちろん、塩分の与え過ぎると、
枯れて今いますが・・。
まずは、耐塩性の強い農作物、
アスパラガス、サトウダイコン、
ブロッコリー、キャベツ、ホウレンソウ、
トマトなどを、品種改良して、
陸地に建てたハウスの中で、
使用する水を海水に置き換え、
野菜を育て、
ゆくゆくは、耐塩性の弱い作物を、
栽培可能にする方法が用いられ、
貴重な真水を、すべて飲料水や、
工業用水に利用すると言う、
画期的な農法です。
日本の水は、豊富にあるイメージがありますが、
もともと少ない淡水資源です。
昔から、川の水を巡って、
争い事が絶えませんでした。
ましてや、世界中で水は枯渇しています。
河(リバー)を巡って、敵対していたことから、
「ライバル」と言う語源になったくらい。
また、海水で農業を行う事には、
別のメリットがあります。
海水農業により、台風などの被害で、
塩害を受けた土壌であっても、
再び利用する事が出来ます。
更にすごいアイデアは、
海の中で作物を栽培する事も可能です。
地震や台風の多い日本。
地すべりや、強風、洪水の被害にあわない、
海中に透明ドーム型の農場を沈め、
海水が無尽蔵にある海の中で、
水耕栽培すると言うアイデア。
でも、津波の衝撃だけが心配・・。
海水農業は、異常気象でなどで、
水不足や干ばつ、塩害などの問題を、
解消するために、世界中で研究開発が、
進められている農業技術です。
まだ研究開発段階ですが、
日本の食料自給率を上げるため、
水資源保全を目指す上でも、
注目される技術ですね。