映画を観ていると、色々な事を考えさせられ、
一冊の本を読んでいる様で、
世の中とか、人生について、
良い勉強になることがあります。
ことにSF作品ともなりますと、
「もしも、こういった世界になったら・・」
と言う、突拍子も無い、絵空事の空想でも、
その時代の背景が映し出され、
感慨深いものがあります。
あらすじは、
ウイルスの猛威によって、
猿と人類の立場が激変し、
知能を持た猿たちにより、
地球は人類に変わって支配される。
それから300年後、
高い知能と言語を持つ猿たちが、
各々の部族で、かつて人類が行ったような、
文明的コミュニティを築き、平和に暮らしていた。
一方、立場が逆転した人類は、
野生動物のような存在になっていた。
鷲を操り、狩で生計を営む部族の、
若き賢明な猿のノアは、
ある日、かつて人類が築いたような、
武力で強大な帝国を目論む集団、
プロキシマス・シーザーの一団に襲われ、
集落は焼かれ、部族の殆どが連れ去られてしまう。
失意の中、連れ去られた母親と、
仲間たちを救おうと、集団お跡を追う中、
ノアは年老いたオランウータンと出会う。
その、年老いたオランウータンから、
かつて、猿と人間が共存すると言う、
昔話を聞かされ、困惑する・・。
帝国を盤石なものにするべく、
開けてはならない”パンドラの箱”を、
我が物にしようとする独裁者の猿と、
猿と人類の共存をかけたノアとの、
壮絶な闘いが幕を開ける。
ご存知の通り1960年代に公開された、
一作目の「猿の惑星」は、
異世界を舞台にしたSF映画として、
私らくらいの年代でも、
SFに詳しく無い人でも、どう言う作品かは、
よく知られた(特にラストは)
古典とも言われる名作です。
第一作の『猿の惑星』は、フランスの小説家、
ピエール・ブールの原作を元に、
宇宙飛行士がたどり着いた、
高度な知能を持った猿たちが統率する、
未知の星での物語。
その猿のモデルとは、日本軍兵士が、
モデルとなっているそうです。
作者のブールは、第二次大戦中、
インドシナで日本軍の捕虜になった経験から、
この「猿の惑星」を書いたそうです。
食文化も、生活様式も西洋とは異なる、
未知の惑星から来たような軍団に、
捕虜として捕まる、明日も知れない恐怖。
その話を見事に脚本化したのが、
TVドラマ「トワイライトゾーン」の、
ホスト役であり、プロデューサーで、
脚本家の、ロッド・サーリング。
当時は、核兵器の恐怖に怯える冷戦時代であり、
ベトナム戦争、人種や人権問題などの、
背景もあって、核戦争後の作品が、
多くの映画作品が作られていました。
当時は、”赤狩り”の規制が強くて、
社会主義に傾倒したり、人種問題など、
そのまま描くと差し障りがある様な、
様々社会問題を、SFの形を用いて、
観客に訴えていました。
ラストシーンの「どんでん返し」の衝撃は、
今でも語り継がれています。
このシーリーズは、時代に合わせて、
何回かリメイクされ、
伝染病ウイルスとか、難病の脳の疾患、
大事なことまで、AIに決めさせるようになると言う、
危ういテクノロジーの脅威とか、
不安な世の中の問題が、見え隠れ・・。
ウクライナとロシア、
イスラエルとハマスの紛争など、
人類は相変わらず進化しない。
企業献金や、裏金で私腹を肥す政治家や、
安全基準や、粉飾決算煮る企業。
シザーと言う、偉大なリーダーを失い、
それから何世代も経て、
文字を持たない猿たちは、
シーザーの存在も知らないし、
後世に残した彼の思いを知らない。
何だか、歴史から何も学ばない、
今の人類みたいだ・・。
でも、ノアはあることをきっかけに、
文字に触れ、言葉の他に文字を手に入れる。
言葉は、人を傷付ける武器にも、
人の背中を押す宝にもなる!。
文明が進むと、社会のシステムが複雑になって、
お互いの意見が対立し、イザコザが起こり、
暴力で解決しようとする。
領土をめぐって、権力を巡っての紛争が、
今だに続いている。
戦国時代ならいざ知らず、対話によって、
お互い、譲れる所は譲歩する知恵を持たないと、
資源も、領土も限られているのに、このままだと、
共倒れになっちゃう!。
この乱世の世の中、だからこそ、
人々の幸せをと、民衆の安穏を祈る、
誠実で実直な判断が、迅速に出来る、
リーダーが、求められる。
人々の絆が薄らぐ時代だからこそ、
デマや嘘、犯罪が横行する。
冷静な判断と、誠実な信頼と対話、
今できる事をやる対策と、連帯感が必要。
リーダの、仲間を守るという信念や、
未来に向けて、深い想いから発する、
言葉や対話は、強い響きがあって、
民衆の心を打つ。
邪悪な嘘は、いかに取り繕っても、
いずれ見破られる。
自分だけが得をする権力者を下し、
人々の幸せと安穏を祈る、
リーダーの一念や、
リーダーの勇気と、誠実な思いは、
民衆に伝播し、混沌とした世の中だからこそ、
一人一人が、厳しい試練の中で学び、
知恵を鍛え、職場や地域社会で、
真心と誠実さで信頼されてこそ、
社会が住み良くなり、
真の民主主義の成熟をもたらす。
人材は宝!。
誰もが平等性と多様性を、
最大に尊重し合い、
多彩な持ち味を生かし、
新しい時代を開いていく。
この映画は、色々と考えさせられて、
書き足りませんが、
独りでは非力だけど誠実なリーダー、
ノアから、いろんな事を学びました。