1969年に、初代松本白鸚

 (八代目松本幸四郎)主演で、

  映像化されて以来、歴代の名優、

 

 丹波哲郎、萬屋錦之介、中村吉右衛門という、

  大御所たちが、長谷川平蔵(通称・鬼平)を演じた、

   池波正太郎原作の、時代劇人気シリーズ作、

    『鬼平犯科帳』を、松本幸四郎を主演に映画化。

 

 

松本幸四郎さんにとっては、叔父の、

 故・中村吉右衛門さんから受け継いだ大事な役。

 

さらに、鬼平の若い頃を演じる、

 市川染五郎共々、親子での共演も見どころ。

 

 

ある日、火付盗賊改方の鬼平こと、

 長谷川平蔵(松本幸四郎)の役宅に、

  

 平蔵が若き日に世話になった居酒屋の娘、

  おまさ(中村ゆり)が訪れ、

   密偵の申し出をするも、

    平蔵からは、きっぱりと断られる。

 

 

 

しかし平蔵が、ある強盗殺害事件に関わっている、

 居酒屋「加賀や」の主人、九平(柄本明)を、

  追っていることを知ったおまさは、

   独断で九兵を探り始める。

 

彼女は九平を探るうちに、

 凶悪な賊の企みを知り、

  一味のアジトにもぐりこむ。

 

鬼平の過去と現在を、交錯させながら、

 事態は、因縁の”血闘”へと展開する!。

 

 

『鬼平犯科帳』はいわゆる“捕物帳”で、

 悪人を捕まえる、という話ですけど、

  

 そこには、人と人との繋がりや、情け、

  しがらみがあったり、人の生きざまや、

   罪を憎んで人を憎まずといった、

    深い人間ドラマが描かれています。

 

 

 

原作の『鬼平犯科帳』は、

 実在した役人、長谷川平蔵宣以を、

  モデルに執筆されています。

 

 平蔵さんは、江戸時代の延享年間に、

 400石の旗本、長谷川宣雄の

  長男として生まれましたが、

 

 母親は女中だったので、

  かなり複雑な家庭環境だったそうです。

 

そういう事情もあって、平蔵さんは、

 仲間や知り合いを通じて、若い頃、

  賭博や色町、悪所通いなど、

 

 放蕩生活を続け、武家にあるまじき、

  庶民の生活にドップリ浸かっていました。

 

 

そこで、大衆の格差や、しがらみ、

 生活の辛さを目の当たりに見て、

  

人間の弱さ、貧しさ故の犯罪、

 「罪を憎んで、人を憎まず」、

   という、心情を、イヤという程、

    叩き込まれたそうです。

 

 

因みに、長谷川平蔵という名前は、

  父の宣雄から親子3代に渡って、

  受け継がれたもので、

 

 ”山田浅右衛門”のような、

  通称のようなものです。

 

火付盗賊改方に就任してからは、

 数々の盗難事件や賭博、強盗など、

  犯罪に対しては、容赦無く、

   厳しい態度で悪事を、

    取り締まっていた事から、

 

 犯罪者の間では、”鬼の平蔵”と、

  恐れられていました。

 

 

 

また、新たに犯罪者を生み出さないよう、

 住む所のない無宿人の為の寄り場、

  人足施設を設立し、

 

 病人には療養施設や、職を失った人には、

  職業訓練所まで建てたそうです。

 

ええお人や!。

 

 

悪事は憎んではいましたが、

 人には優しく憎んではいなかった!。

 

しかもその資金は、財テクで、

 儲けたお金で運営していたそうで、

  

 さすが、若い頃から博場通いしていた、

  そのノウハウで培った博才で、

   庶民に還元していたンですね。

 

奉行所の部下にも、仕事納めに、

 ”餅代”というお小遣いを渡すほど、

  心憎い気遣いの人。

 

リーダーの鑑!、上に立つ人は、

 こうあるべき!。

 

部下は、ミンナ付いてきますとも!。

 

地域の犯罪撲滅に努力し、

 人情味溢れる仕事ぶりから、

  平蔵さんは庶民から絶大な人気があり、

  「本所の平蔵様」と親しまれていました。

 

政治資金を違法に集める議員や、

 選挙妨害で、知名度を上げようとする、

  政治家とは大違い。

 

さて映画の方は、何と言っても、

 主役の松本幸四郎さんがハマリ役で、

 

 男前で、殺陣の立ち回りもキレがあるし、

  声も良いし、カッコいいのなんのっ!。

 

 

歴代の鬼平の中で、ダントツでした。

 

しかも、若き鬼平を演じるのが、

 市川染五郎さんと言う、

  親子で鬼平の演技が観られる!。

 

 

脇を固める役者さんも豪華で、

 中井さん、柄本さんや、火野さんなど、

  実績のある、時代劇の常連で固める、

   盤石の布陣!。

 

 

池波作品といえば、江戸のグルメと、

 庶民文化のリアルな描写!。

 

 

それと、手っ取り早く根こそぎ強奪し、

 情け容赦なく人を殺め犯罪を犯す、

  今の半グレや、怠惰な若者など、

 

 

 世相を反映した内容になっていて、

  今も昔も、生活苦から止むに止まれず、

   悪事に加担する引き込み女中や、職人、

    年寄りを騙して、金品を奪う極悪人たち。

 

 

昔も現代も、悪は蔓延る。

 

円安などで、一向に景気がよならないのに、

 政治家や役人は、何も対策を講じず、

  自分たちの私服を肥やし、

 

 セクハラ、パワハラ、

  失言でロクな事をしない。

 

 

鬼平さん、なんとかしてぇ〜!。

 

さて、『鬼平』続編が楽しみ!。