長かった連休も明けて、

 まだ休みボケで、本調子が出ず、

 

 仕事でミスって、ポカやったり、

  いきなり初日から、寝坊して遅刻・・・。

 

ああ、やってしまった・・。


五月病とは、よく言ったもので、

 連休明けのこの時期、

 

新入社員も、ようやく仕事に慣れてきた、

 という油断から気が緩み、ミスが多くなり、

  憂鬱な気分になる時期。

 

私も、ついこの間、

 連休中に書き溜めた長文の文章を、

  パソコンで書いて、ブログに上げようとしたら、

  

 保存し忘れて、無情にも全部消えてしまいました・・。

 

ひえ〜〜〜〜!。

 

そんな冷や汗ミスを犯した、

 超ピンチの時に、太っ腹な神対応のエピソード・・。

 

 

 

『天才バカボン』を描き上げた、

  ギャグ漫画の神様、

   赤塚不二夫の、ちょっと良い話。

 

破天荒なギャグと、

 インパクトのあるキャラクターが、

  大暴れする作品とは違って、

 

 作者本人の仕事は、いたって真面目で、

  原稿の締め切りも、キッチリしていました。

 

その日も、締め切りの前日に、

 編集者に原稿を渡し、

 

 一仕事終わって、

  飲みに行こうとしていた先生。

 

しかしその後、編集者がとんでもない、

 失敗をやらかしました・・。

 

「原稿をタクシーに置き忘れて、

  なくしてしまいました!・・」

 

真っ青な顔で、平謝りする編集者。

 

タクシーとは、連絡がつかず、

 翌日に、原稿を印刷所に渡さないと、

  掲載雑誌に穴が開く・・。

 

『バカボン』と言えば、

 「少年マガジン」の、超人気漫画。

 

 

多くのファンが、楽しみにしている!。

 

編集者の首が飛ぶ、まさに大ピンチ!。

 

ところが、赤塚不二夫先生は、

 まったく怒ることなく、

 

「ネーム(脚本のようなもの)があるから、

  また描ける」と言い、

 

 さらに、

 

 「まだ少し時間がある、呑みに行こう」と、

   とんでもない発言を・・。

 

先生も疲れているだろうし、

 ギャグ漫画とは言え、同じものを、

  そう簡単に描けるものではないハズ。

 

これはもちろん、

 落ち込んでいる編集者を、

  気遣っての優しい言葉でした。

 

編集者を連れて、

 呑んで戻った赤塚先生は、

  また数時間かけて

 無事、同じ話を描きあげた後、

 

 「2度目だから、もっと上手くかけたよ!」

 

  と言って、その原稿を、

   編集者へ渡したそうです。

 

帰りのタクシーの中で、

 その編集者は、号泣してしまった。

 

この話には、続きがありまして、

 紛失したと思われた原稿が、

  

なんと、1週間後にタクシーで見つかり、

 タクシー会社から、赤塚不二夫宛てに、

  郵送されてきました。

 

その原稿を、

 

「2度と同じ失敗を繰り返さないように、

  おまえが持ってろ」と、

 

 赤塚先生から、その原稿を、

  編集者にプレゼントしました。

 

編集者はその後、自分への戒めとして、

 35年間も、大事に持ち続けたそうです。

 

そして、赤塚不二夫が他界亡した時、

 「この原稿の役目は終わった」と思い、

 

 感謝の意を込めて、フジオ・プロ

 (赤塚不二夫のプロダクション)

   を仕切る、先生の娘さん、

    りえ子さんに原稿を戻したのそうです。

 

だから現在、フジオ・プロには、

 『天才バカボン』の同じ回の原稿が、

   2つ存在するのだそうです。

 

赤塚先生の葬儀の参列者は、

 1200人に及び、多くのファンや、

  同じ業界や、編集者にまでにも、

   愛され、慕われていました。

 

原稿を紛失するという、

 プロにあるまじき失敗を、

  頭ごなしに責めもせず、

 

 優しさと気遣い、そして、

  2度と同じミスをしない様に、

   やんわりと戒めを込めて、

    叱咤激励する。

 

ええ話や〜!。

 

実は赤塚先生、相当な苦労人。

 

 先生の若い頃は、美男子!。

 

 

赤塚不二夫、本名は赤塚藤雄。

 

日本統治下の満州に生まれ、

 満洲を引き揚げ、壮絶な帰国に至る過程で、

  妹を喪い、貸本漫画で生計を立てるも、

   食うや食わずの生活。

 

漫画家を諦めようとするも、

 苦労を重ね、国民的な作品、

  『天才バカボン』など、

    ヒット作にも恵まれた。

 

苦労した中で、他人の闇の部分や、

 人々の優しさに触れ、

 

 完璧な人間などいない、

  誰でも、ミスは犯す。

 

本当の優しさとは、失敗した時、

 トラブルが起きた時に、

 

「これで良いのだ!」

 

 

 と言う、大らかな気持ちで、

  相手を気遣う事ができる人。

 

ああ・・『天才バカボン』、また読みたくなった!。