性格が違うのに、馬が合う友人って、
結構いますよね!。
赤塚不二夫と、梶原一騎。
横山やすしと、初代 林家木久蔵。
やはり、お互い持っている感覚が違うから、
惹かれ合うのかもしれませんね。
『イニシェリン島の精霊』
1923年の、内戦の続く、
アイルランドの孤島で、
家畜の乳を売って、生計を立てていた、
パードリック(コリン・ファレル)は、
長年、交友関係だった友人、
コルム(ブレンダン・グリーソン)から、
突如、絶縁を告げられた・・。
昨日まで、一緒に酒を酌み交わした、
長年の親友から突然、
「お前が嫌いになった」という、
理不尽な理由で、絶交を突きつけられ、
「これ以上、オマエが俺の人生を、
煩わせるような事をしたら、
俺は、自分の指を切り落とす!」と、
信じられない事を言い出す・・。
善人で真面目なパードリックは、
親友から突きつけられた、
突然の絶交に、頭が真っ白になり、
自分に落ち度があるのか、
悩み出すも、
島民全員が、顔見知りの、
平和な小さな島で、
どうしてもコルムと、
顔を合わさずにはいられない・・。
一本道で、コルムとすれ違う、
バツの悪さ・・。
コルムは、島の人気者で、
音楽に造詣が深い。
パードリックの方は、
冴えない田舎の中年・・。
この諍いが、どんどんエスカレートして、
のどかな島民全体を巻き込む、
衝撃的な展開に・・。
アイルランドの小さな港町、
絵葉書のような華やかさはないものの、
荒涼とした中に、長閑さがあり、
そこに飛び交う鳥たちや、
家畜たちが戯れる姿が、
微笑ましい・・。
なのに、その舞台で展開するドラマは、
滑稽なコメディーでもあるし、
身の毛もよだつ、ホラーでもある・・。
同じ島国だから、わかる、
日本でも、こういうことって、
あったりしますよね。
コルムの言い分もわかるし、
パードリックの苦悩もわかる・・。
お互い、心の底では尊敬してるし、
認め合っているけど、
引っ込みがつかなくて・・。
”おぼん・こぼん”さんみたいに、
溜まっていたものが、
或る日突然、ってことが・・。
おしぼりを投げるように、
〇〇をぶつけちゃう・・。
ナイツ、この争いを止めて〜!。
でも、ホント、
みなさん演技が上手い!。
コリン・ファレルが、泣き出す演技と、
気まずそうにすれ違う演技、
ブレンダン・グリーソンの、
背中の演技、絶妙でした。
ところで、コリン・ファレル、
『トータル・リコール』の時と違って、
老けた印象で、
草刈正雄にそっくりでした・・。