8月6日は、広島原爆の日 。

 

被爆から79年が経ちました。

 

79年経っても、その爪痕と、脅威は計り知れません・・。

 

映画『オッペンハイマー』公開後、

 日本人とアメリカ人との原爆に対する温度差に、

  物議が展開されていますが、

 

過去に起こった事を風化させてはいけない反面、

 これからの、未来について、

  お互い歩み寄って話し合うべきですね。

 

 

「はだしのゲン」や、「黒い雨」、

 (そういえば「ウルバリン」、

  「ブラック・レイン」もそうかな?)

    被曝を扱った映画は多いですが、

 

 当時、広島に住む人の目線で描いた、

  最も心揺さぶられた作品が、

   「この世界の片隅に」でした。

 

NHKでも、ノーカットで放送していましたね。

 

CMが入らないので、淡々と、

 紙芝居を観るような感覚で、

  何10回も観たのに、つい見入ってしまいました。

 

 

 

2016年に公開された途端、

 ジブリアニメ「となりのトトロ」以来、

  社会現象にもなるほど、

   異例の大ヒットとなった長編アニメーション映画、

    

 

 

 

公開される前から、その作風にSNSで評判が広がり、

 観客動員数は130万人を突破。

 

 

昭和19年から、終戦後の広島を舞台に、

 戦争で身近なものや、大切なもの、

  様々なものが失われていく中でも

   工夫を凝らしながら日々を生きていく、

    1人の女性と、その家族の日常を通して、

     ささやかで幸せな姿を描いてゆく作品。

 

 

 

 

すごい映画でした・・。

 

『火垂るの墓』、『はだしのゲン』など、

 戦争を題材にした秀逸なアニメは、

  たくさんありましたが、

 

  インターネットや、国会図書館や、

   郷土資料館で当時の雑誌や新聞を調べたり、

   

 当時の体験者からの聞き込み、

  建物、家事の道具や服装の材質など、

   細かく調査し、徹底的な考証の末、

    

 当時の人々や街の様子を、

  これでもかと、リアルに描写するアニメは、

   なかったと思います。

 

 

 

 原爆でほとんど消えてしまった、

  広島中心部のその街並みの、貴重な写真を、

   広島に住んでらした人から提供してもらい、

    動く映像として作品に反映された素晴らしさ。

 

平和な頃の広島って、

 こんなに賑やかだったんだ・・。

 

そこに住んでいる人々も、

 全部含めて街なんだ・・。

 

 普通の人たちが、かつて、

  ここで生きて生活していたんだ・・。

 

当たり前の日常が、一瞬で壊されたことに、

 涙が出ました・・。

 

 

 

白黒写真や、セピア色のフイルムでしか見たことのない、

 当時の風景が、実は鮮やかな物だったり、

  

 貧しい生活の中でも、

  ほのぼのとしていたり・・。

 

 

 

理不尽な世の中に逆らわず、誰にも反発しないで、

 のほほんと頑張ってきた”すずさん”が、

  終戦直後に初めて見せる、やるせない怒り・・。

 

 これは言葉では語り尽くせない・・。

 

爆撃直後の、目を背けたくなる、

 壮絶なシーンもあり、

 

 多くのものをを失ってしまった絶望の中にも、

  未来へ向けて、希望の光を見出すような、

   そんな力強さを感じた映画でした。

 

実際、広島の人たちは強い!。

 

 

 大勢の人に観てもらいたいし、

 もう二、三回見たくなる映画です。

 

(実際、映画館では、3回観ちゃいました!)

 

 

この映画の原作者、

 

 マンガ家 こうの史代さんは、

  広島県出身の漫画家さん。

 

この作品を手がけたきっかけは、

 

 呉に住み、戦火を生き抜いた、

  今は亡き、おばあちゃんから聞いた、戦災の話。

 

現代人の、こうの史代さんからは、

 あまりピンとこなくて、

  その昔話をまじめに聞いてこなかったそうです。

 

 

おばあちゃんが亡くなって、

 当時の貴重な話を、聞くことが出来なくなってから、

  もっと真剣に聞いておけばと、

   後悔したそうです。

 

戦時中の庶民の暮らしぶりは、

 どんなものだったのか?。

 

どんな気持ちで、暮らしていたのか?。

 

日々の暮らしに、希望は持てたのか?。

 

当時の話を語れなくなった人々と、

 描くことで対話をしているような、

  そういう人たちのことを追いかけるように。

   丁寧に描ければいいなと思ったそうです。

 

実際、原爆を落とされた理由を知らない若者、

 

 そもそも、アメリカと日本が、

  戦争していたことすら知らない、

   興味ないっていう若者が多い現実は、

    ちょっと怖いですね・・。

 

 

 

 

映画の中の”すずさん”は、

 苦しい状況なのに、妹さんとの漫才みたいなやり取りに、

  本当に仲の良い姉妹なんだなって・・。

 

羨ましくなっちゃいます。

 

原作者の、こうの史代さんは、

 こう行っています、

 

「私たちが、戦後に生まれたという事は、

 戦火を生き延びた人からしか産まれていない。

 

 そのことを誇りに思う。

 

  そして敬意を表したい。

 

自分の知っているおじいさん、おばあさん、

 戦争を経験した方々、そういう人たちに、

  なぞらえて考えたり、

   戦争中のことを振り返っていただき、

    話をするきっかけになればいいと思う。」

 

 

 

おばあちゃんになっても、チャーミングな”すずさん”から、

 当時の話を聞いてみたいです。

 

そういえば、「竜とそばかすの姫」も、

 ”すずさん”でしたね!。