
会社勤めのお父さんが,
定年を迎え、落ち着いてくると、
やってみたい事NO.1が、
そば打ちだそうですね。
そば打ちの魅力は、
その日の天候や、水加減など、
ささいなさじ加減で、
味と腰に違いが出る奥の深さ。
粉に水を入れ、こねて伸ばすという、
シンプルな工程でありながら、
極めれば極める程、
卓越した技術を要する世界。
まるで、修行僧の様に・・。

そう言えば、お蕎麦屋さんの屋号には、
なぜか”長寿庵”や”大森庵”といった、
「庵」のつくお店が多いですね。
本来「庵(いおり)」とは、草などで作った、
粗末な草庵や、お寺の敷地内に作られた、
小さな建物のコトを指します。
その庵が、なぜ、
お蕎麦と深い関係があるのかと言いますと、
その由来は、江戸時代にまで遡ります。
江戸時代中期ごろ、
浅草の称往院の中にある、
「道光庵」という庵に、
信州出身のお坊さんが住んでいました。
そのお坊さんは、
そば打ちが大層うまく、
最初は、檀家さんの間で、
ささやかに振る舞っていましたが、
その味の良さは絶品で、
檀家の人たちに喜ばれていました。
やがて、檀家以外の人たちが、
評判を聞きつけ、
そば食べたさに、大勢の人達が、
「道光庵」を訪れました。
この道光庵の蕎麦は、
浅草でも有名となり、
広く知れる事となりました。

本業のお蕎麦やさん達が、
その名声にあやかろうと、
競って、店の名前に
「庵」をつけるようになり、
以来、お蕎麦屋さんには
「庵」を名のる店が増えました。
本業より、副業や、
趣味でやってた事が、
繁盛する事ってあるンですね。