閑静な別荘地に猛威を振った嵐が過ぎ去った後、
晴天だというのに、軍の基地のある山中から、
湖畔にかけて、不気味な霧が迫って来る・・。
激しい嵐の被害によって、送電も通話も止まり、
田舎町のスーパーマーケットは、
食料や日用品の買い出しの人出でごった返す。
レジ待ちをする人々が、ふと通りに目を向けると、
軍の車両や、消防車が忙しなく行き去り、
不意に、けたたましいサイレンが、
不気味に鳴り響き、
不振な白い霧が、町中を覆い尽くす・・。
そこへ突然、顔から血を流した、
初老の男が「霧の中に何かがいる!」
と、必死に叫びながら、マーケットの中に、
駆け込んで来た!。
何事かと、人々がマーケットの窓ガラスに群がると、
断末魔の叫びを残し、サイレンが泣き止む・・。
残した家族の安否を気にして、
外へ出ようとした買い物客たちは、
次々に霧の中の何者かに襲われ、
犠牲になっていった。
逃げる事の出来ない、
地獄の扉が開かれた瞬間であった・・。
20年前に、スティーヴン・キングの、
この原作を読んで虜になり、
映画化されると聞いて、
手を叩いて喜んで観に行きましたが、
これは、内蔵にくる、ものすごいパンチを食らいました!。
この手の作品は、「筏」とか、「クジョー」とか、
似た様なものは、履いて捨てるほどありますが、
映像化すると原作を越えられない物が多い中、
この映画は、かなりのタブーを犯し、
心理的に取り返しのつかない罪悪感に襲われる作品です。
事故現場を覗き込むような、
野次馬根性で観に行くと、
痛い目に遭いますよ!。
インパクトでは、今年一番かも知れません。
あと10年は語り継がれるラスト15分!。
観客は、かなりの覚悟が必要ですよ!。
観終わった後、
色々考えさせられて、
気持ちの整理をするのに時間がかかりました。
人間が一番怖い!、
宗教ってコワイと思わせられた映画でした。
ホラーが苦手と言う人には酷ですが、
是非、観て欲しい映画です!。
愛するが故に、取り返しのつかない、
一線を越えてしまう事もある・・。
誰も責められない・・。
大勢の人が観るべき作品だと思います。