一生懸命働いて稼いだ利益のうわまえを、
第三者が先に取るコトを、「ピンはね」と言います。

じつは、この「ピンはね」とは、
もともと歌舞伎の用語で、
興行主が、役者の給料に対して、
1割を徴収した事から来ています。

「ピンはね」の「ピン」とは数字の「1」の事で、
  (サイコロの1の目をそう呼んだり、
   「ピンからきりまで」って言います)
    因みに「ピン」はポルトガル語の「pinta=点」、
   「キリ」は、同じくポルトガル語の「cruz=十字架」で、
   「始めから終わりまで」と言う意味だそうです。

1割撥ねる(かすめ取る)ことから、
「ピンはね」と言いますが、
興行が当たらなくて、お客の入りが少ないと、
1割程度では済まなくて、
2割、3割と引かれて行きますが、
表向きは1割を引くということになっていたので、
今でもピンはねという言葉は、
悪いイメージの言葉として浸透しました。

因みに、落語でも、紅白でも、
「取り」を務めるのは常に大御所!。

その「取り」と呼ばれる理由は、
当時の寄席では、最も芸の優れた芸人が、
最後に出演し、その芸人自らが、興行収入の内、
出演料を「割り」と呼ばれる歩合によって分配し、
最後に全部取るコトから「取り」と言われたそうです。