『ハロルド・フライのまさかの旅立ち
(The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry)』
製作年 2022年
製作国 イギリス
配給 松竹
監督 ヘティ・マクドナルド
原作 レイチェル・ジョイス
キャスト
ハロルド・フライ/ジム・ブロードベント
モーリーン/ペネロープ・ウィルトン
クイーニー/リンダ・バセット
彼の目的はクイーニーでは無かったんだな。
きっかけはそうだけど。
自分を罰したかった気持ちも蘇ったんだ。
して貰った恩を返せていない事。彼女以上の困難に身を置かずにいられなかった。
置いて行かれた奥さんは気の毒だった。
1人きりになってしまった家の中で。
隣人が良い人で良かった。
当たり前のことなのに、歩くのは難しい。食べるのも、眠るのも、難しい人もいる。
そう話す女性。女医なのに、この国ではトイレ掃除の仕事しかない女性。薬から抜け出せない若者。何かをしたくて、集まる人たち。
彼らはハロルドにどう影響を与えたんだろう。
750キロは、東京から四国位の距離だって。
それを2ヶ月ちょっとかけて歩いた。
自分と向き合うのにロングトレイルは良いって聞くけど。
最初はクイーニーを死なせない…が掛け声だったけど、次第に過去の辛い出来事や後悔が襲ってくる。まるで、毒素を吐き出すように。
自然の中で、葉蔭の先の空を見上げ、視点が葉に変わった瞬間が美しかった。
光が…
誰にでも、光が射す。辛くても。
それは救いかは分からないけど。
ふ…と笑みが浮かぶなら、それは良い事。
そう言う事かな。
佐渡から、和歌山まで車で移動するとちょうど750.2キロだった。