3月25日

不妊は女性だけのものではない


 健康な男女が避妊をせず性生活を続け、一定期間を過ぎても妊娠しない場合を「不妊症」と言います。


この期間は年齢によって異なりますが、晩婚化などの社会的背景から、日本産科婦人科学会は「1年」としています。


女性が妊娠できる年齢は限られているため、特に年齢が高い場合には、より早く検査と治療を始めた方がよいという考え方が広まってきました。


 実際に、不妊治療を受ける人は増え、その年齢も年々上がっています。


背景には結婚年齢が上がり、子どもを望む年齢が高齢化していることと考えられます。


女性の卵巣内にある卵子は新しく作られることはなく、加齢とともに数が減り、質も低下していきます。個人差はあるものの、生物学的には30歳を超えると自然に妊娠する力は少しずつ低くなり、35歳を過ぎると急激に低下します。


不妊治療の場合も、35歳前後から妊娠率は低下し、流産率が増加します。


つまり、「年齢が高くなると妊娠しにくくなるから不妊治療」ではなく、「年齢が高くなると不妊治療をしても授かりにくい」ということです。


男性も同様で、女性ほどではありませんが、加齢とともに精子の質や精巣機能が徐々に低下しています。


過去に妊娠をしたから不妊症ではないと思っている人もいますが、時間の経過とともに卵子や精子の質が低下したり、妊娠の妨げになるさまざまな合併症を併発したりするなど、不妊治療が必要となる可能性もあります。



不妊治療に漢方は効果的かどうか?


漢方薬は、西洋医学の薬のように即効性があるものではない。


しかし、継続して飲用することで、全身の状態を整えて妊娠しやすい身体へと導き、不妊症を改善する効果があります。


不妊治療に漢方というのは、馴染みがないかもしれませんが、漢方には冷え性の改善や疲労回復・貧血改善など、不妊体質の改善に効果が期待できる漢方薬が多くあります。


漢方には「気」・「血」・「水」という考え方です。

不妊治療に使われる漢方もこの考え方からきています。


気が不足している気虚タイプ

元気が足りていない状態。

香蘇散(こうそさん)

ストレス過多に効果的

配合生薬

香附子(コウブシ)、蘇葉(ソヨウ)、陳皮(チンピ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)




血が不足している血虚タイプ

体の栄養が足りていない状態。

温経湯(ウンケイトウ)

冷え症・貧血・生理不順・生理痛などの改善に効果的

配合生薬

麦門冬(バクモンドウ)、 半夏(ハンゲ)、 当帰(トウキ)、 甘草(カンゾウ)、 桂皮(ケイヒ)、 薬(シャクヤク)、 川芎(センキュウ)、 人参(ニンジン)、 牡丹皮(ボタンピ)、呉茱萸(ゴシュユ)、 生姜(ショウキョウ)、阿膠(アキョウ)




水が不足している陰虚タイプ

体の潤いが足りていない状態。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷え性や生理不順に効果的

配合生薬

当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、薬(シャクヤク)、茯苓(ブクリョウ)、蒼朮(ソウジュツ)、沢瀉(タクシャ)