ドイツの鶏モモ肉

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駐在時代に綴っていたブログでも何度か書いていたのですが、ドイツに住む日本人が慣れるまでに苦労することの一つが「鶏モモ肉問題」です

先日、ドイツには薄切り肉がないのでお肉屋さんの店頭でお願いして(苦労に苦労を重ねて)やがて日本人も納得できる薄切りにしてもらえるようになると言う記事を書きましたが

それと同じくらい最初は苦労するのが鶏のもも肉です。
ドイツの鶏もも肉はすべて骨付きで所謂「一枚肉」がありません。
日本が食材の選択肢が多いのはおそらく世界全体を見ても日本人ほど多種多様な家庭料理を作る国民はいないからだと思います。

ドイツ人からしたら
「どうしてせっかく食べ応えのある塊肉を薄くするんだ」
「どうして骨の周りのお肉が美味しいのにその骨をとってしまうんだ」
「いったいどうやって料理しようって言うんだ」
というところでしょうか。

※ここからはもしかしたら生々しい写真になるので閲覧注意でお願いします。

こちらスーパーやお肉屋さんで売っている一般的な鶏モモ肉です。
日本の骨付き鶏もも肉と1つ違うのは、モモの付け根部分に頑固な骨と余分な大きな皮がついている事です。


まずはこの骨と余分な皮を取り除きます。

その後、足首部分にぐるりと1周切り目を入れて、もも肉の中央あたりにある骨の関節を外します。関節をうまく外すことができると骨の下側がするりと取り外せます。

あとはもも肉に残った骨に沿うように包丁を入れて骨を切り取ります。
そうすると日本で見るような鶏モモの一枚肉ができます。
ドイツでは鶏もも肉を使った唐揚げなどの料理をする際はまずこの作業を全て済ませてからになります。

もう駐在生活を終えた私が言うのもおかしな話ですが、駐在員と聞くと羨ましがられたり、贅沢な生活をしている人たちと色眼鏡で見られてしまうことがあります。
とても簡単に生活しているように見えるのかもしれませんが、日本では当たり前だったものが大きな努力をしないと手に入らないことも多々あります。
お肉屋さんで、覚えたてのあやふやなドイツ語で一生懸命説明しても「何をめちゃくちゃなドイツ語でわけのわからないこと言ってるんだ」と呆れた顔で相手にしてもらえない経験を誰もが一度はしたことがあるかもしれません。
言葉が通じても「そんなめんどくさいことができるか」とはねのけられてしまうこともあります。

内臓が骨に残っていたり、足首の部分に羽が残っている鶏肉を震えながらさばく経験もします。

幸せそうに生活しているのはそこでの生活が幸せと思えるだけの努力と勉強したからです。
私が言う事ではないかもしれませんが、もし周りに海外で駐在生活を送っているお友達がいらしたら
「よく頑張っているね」と一言伝えてあげていただきたいです。

余計なことを申しました・・・照れ