世田谷美術館の展覧会「民藝」を観て
柳の訴えたかったことが深く染み入り
この展覧会を観て、再び「民藝」の真の意味や奥深さに感じ入りました。
今回の主人公・シアスター・ゲイツは、
1973年にアメリカ・シカゴで生まれ、
2004年、愛知県常滑で陶芸を学び、以来、日本文化に造詣の深い黒人アーティストです。
アーティストとして文化的ハイブリッドを謳うゲイツは、
黒人文化と日本文化それぞれを尊重し、
それをグローバル化するのではなく
友好関係を築くように(ここ大事!)
文化的ハイブリッドなアートを目指しています。
途中、アメリカの黒人たちの魂の根っこにある「怒り」を表現した映像があり、
その暴力性や怒りの雄叫びに恐怖を感じる展示もありましたが、
それ以外は、とても教養溢れた
ゲイツの人となりを感じさせる作品とコレクションを心から楽しめる展覧会でした。
ブラックアートの魅力はもちろん、
ゲイツを介して日本の民藝を再確認する機会に恵まれます。
ゲイツのロゴ「門」(英語のGATEは日本語で門)
を使った澤井酒造の日本酒や貧乏徳利
京都西陣のHOSOOの作った垂れ幕など
展覧会では現代日本を象徴する製造元も協力しています。
最後は、ミラーボール風の彫刻が回り、80年代ディスコを思わせる展示に心浮き立ちながら展覧会を観終わるという演出も素敵。
シアスター・ゲイツ展〜アフロ民藝は
9月1日まで六本木・森美術館で開催。
ぜひ、世田谷美術館の「民藝展」と一緒にお楽しみください。
www.mori.art.museum