熱波の波が約10日ほど続き、やっと一区切りついた今日。

30度がこんなに涼しいなんて、思いもよらないことでした。

でも、安心はできません。7月14日まではまた熱波が訪れる可能性があるそうですから。。。

 

ここフランスでは外観を損ねるからとクーラー設置は難しいし、それが可能でも直径20センチ弱のホースを窓から外に出す旧式クーラーがほとんどなので、結局は外気が中に入って涼しくないのです。それに、一斉にみんなが電気を使ったりすると!

それでなくても猛暑の日は電車が誤作動して止まってしまったり、問題がたくさん生じるこの国。

そうであれば原始的に日に何度も水シャワーを浴びたり、

直射日光が入らないように雨戸を閉めて薄暗い部屋でじーっとしているのが得策なのです。

 

そんなフランスでは夏になると庭や植物をテーマにした展覧会が増えます。

今年はヴェルサイユ宮殿で17世紀後半から18世紀にかけて大ブームを引き起こした「啓蒙主義、その庭」の展覧会が開催されています。

会場はラングドック地方から持ってきたピンク色の大理石が美しい

グラン・トリアノンです。

 

そもそも啓蒙時代は古代の遺跡が発見されて

自由で人間の生理的欲求に倣ったギリシア・ローマ時代の神々の暮らしがフォーカスされ、

古代の遺跡に朽ちていくものへの敬意「もののあわれ」に審美が見出されました。

島国からヨーロッパの各地にグランドツアー修学旅行して戻ったイギリスの子息たちは

彼の地で買い集めたナウイ(死語です、ごめんなさい)古代の彫刻をカントリーハウスの城内に飾るだけでなく

遺跡を模した建造物を庭に配し、それらをセピア色の凸型ガラス「クロードグラス」を通して後ろ手に見ることで

クロード・ロランやユベール・ロベールが描く額縁に収まった絵のように美しい

「ピクチャレスク」な庭を我が所有地で見ることが叶いました。

 

そうした庭は、ギリシア・ローマ時代の神々が戯れた「エデンの園」のように満ちたりたイギリス式の庭「Jardin anglais 」から発展し、

中国の寺院「パゴッド」や東屋「アモー」が据え置かれた

中国式イギリス庭園「jardin 

angolo chinois」と呼ばれるようになりました。

 

この時代の庭には、当時の風潮であった「人間と自然」の密接な関係を取り上げた「啓蒙思想」が凝縮されています。

こうした思想に大きく影響を及ぼしたのがJJ.ルソーの『エミーユ』です。

 

当時の手工芸品「メチエ・ダール」が宮廷での「コード」(そこで生き抜くためのツール)であったように

庭にもそうした「コード」が見てとれました。

王妃スタイルの当時の庭での過ごし方やイギリス庭園の散歩、また、18世紀のデュズニーランド「アモー」など、

マリー・アントワネットや当時の宮廷人を介した庭のあり方を掘り下げたのが

現在、ヴェルサイユ宮殿で開催中の「啓蒙主義の庭」展なのです。

 

さて、7月15日から私が定期的に教鞭を執る

日仏学院東京の夏季講座 アトリエ講座「Paris,je t'aime 愛するパリシリーズ フランスのモード歴史と今」が開催されます。

(3ヶ月で5回の講座。日本時間16時から。パリからつなぐzoom講座で録画受講も可能です)

 

今回は、横浜美術館で8月1日より開催予定の「マリー・アントワネット・スタイル」をより楽しむ講座であると同時に、

18世紀後半、マリー・アントワネットの時代にフォーカスを当てて

未だ知られていない(かなりレアです)王妃の魅力を掘り下げ、

フランスで開催中の展覧会の生情報を通して伝えつつ、

皆さんでご一緒に王妃の魅力について語っていきたいとおもっています。

 

マリー・アントワネットファンはもちろん、

18世後半フランス・アールド・ヴィーヴルな暮らしにご興味ある貴殿へ。

 

失われつつあるフランス芸術の円熟期を

ご一緒に体現したいと思っています。

 

プティ・セナクル代表

石澤季里

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愛するパリ!フランス・エレガンスの頂点「マリー・アントワネットスタイル」

 

パリから繋ぐオンライン講座です。2026 年 8 月 1 日(土)~11 月 23 日まで、横浜美術館で開催される「マリー・アントワネット・スタイル」展を記念して、展覧会をより深く楽しむだけでなく、現代に息づくフランスのアール・ド・ヴィーヴルを理解するために講座を開催します。今年、フランスでは王妃のイメージを一変したソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』が公開されて20周年ということもあり、王妃に関連する展覧会やイベントが数多く開催されています。講座ではこうした最新情報やパリやヴェルサイユに残る王妃の足跡を辿りながら、美しい写真や動画とともに「なぜ、マリー・アントワネットが永遠のアイドルなのか?」という謎を解き明かします。

 

1、7月15日

王妃とオートクチュール〜パリ・ガリエラ衣装美術館『18世紀・ファンタジーの継承』展

 

2、7月29日

王妃の愛した庭〜ヴェルサイユ宮殿『啓蒙時代の庭』展

 

3、8月26日

王妃と歩くパリ散歩 

 

4、9月9日

王妃とエンタメ「マリーアントワネット・マニア」

 

5、9月30日

王妃のプライベートライフ〜家族、そして恋愛

 

各水曜日 16時~18時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本では花の盛りも終盤かと思います 。

パリは復活祭の連休だというのに寒くてがっかり。

今日は、ひめくりカレンダーを逆戻りして

2026年3月5日にオープンしてはや1ヶ月経ち、

フランスに戻る前に滑り込みで見学することができた「帝国ホテル 京都」のお話をしたいとおもいます。

 

コロナを挟んでかれこれ5年以上前から

長年の友人がこのプロジェクトに邁進する姿をみて、

さて、どんな素敵なものが建つのかなと楽しみにしていました。

今回訪れた「帝国ホテル 京都」はその期待を裏切らない

素敵な意匠の建物でした。

 

古いものを全部無くすのではなく、その一部を保存・再生させながら

最新の素材やテクノロジーを用いて

未来に継承するというコンセプトは欧州ではごくごく普通にあるものですが、日本では案外珍しいもの。

そして、そのコンセプトは

このブログのタイトルでもある「目に新しき古きもの」そのものです。

古いもののなかには作られた当時の流行、そして、作った人たちの遊び心が詰まっていて、それがとても魅力的なのです。

 

祇園のお茶屋「一力」から健仁寺に向かう花見小路は、多くの皆さんが通ったことのある京都のメインストリートのひとつです。

この道の奥に、国の登録有形文化財「弥栄会館」があって、毎年、春には祇園の舞妓衆による「都をどり」の舞台になることでも有名です。

 

窓の少ないこの建物をどうやって宿泊施設にするのか。

着工にあたってはさまざまな課題が山積みだったようですが、

そんな難題を上手に解決しながら、

「違いのわかる」大人にアピールする

銘木や、手に入りにくい「石」(骨董の世界では「石の良さがわかる」ことが最高の目利きだといわれているとか?)

を用いつつつ、派手派手しくない「侘び寂び」(芸術を愛する欧州のハイソサエティーに、今、最もアピールする言葉です)な

アリュールを纏った内装デザインを担ったのが新素材研究所の榊田倫之氏です。

 

ちなみに「新素材研究所」は相模湾の「江之浦測候所」や丹波の「小田垣商店」を手掛けた

世界的に有名なアーティスト、杉本博司氏と榊田氏が率いる会社。

担当者の友人は、あえて「杉本博司」の名前を前面に出して話題性を狙うのではなく

あくまでも榊田氏の才能を買って

「弥栄会館」と「帝国ホテル」の歴史をつなげ、

新たな息吹を感じさせる京都帝国ホテルをオープンしたいのだ、とその真摯な姿勢を再三、話してくれました

 

では、どんなところにこだわりがあるのか?

1、エントランスで客人を迎え入れる内田鋼一の彫刻「Fujin Raijin」は、建仁寺にある俵屋宗達の国宝「風神雷神図屏風」を受けています。また建物に入った正面には、奈良の吉野水分神社、樹齢1000年の樹木から木工パネルを造り、そこに螺鈿でIMPERIAL HOTELと刻みました

 

2、パブリックスペースには、F.L.ライトが建てた東京の帝国ホテル「インペリアルバー」同様、アンティークの大谷石が用いられています

 

3、外観を飾る常滑のタイルは弥生会館解体時に職人が一枚一枚丁寧に剥がしてその10%を再利用。不足分は再生して用いました。

 

4、客室やエレベーターの階を示す可愛らしい数字は、弥生会館の設計者、木村得三郎が残したレタリングをもとに作られました。

(弥生会館の誕生したアールデコの時代、欧文書体デザインはとても流行していました。ポスターで有名なカッサンドルも素敵なフォントを残しています)

5、弥生会館の貴賓室にあった当時貴重だった「バナナ」のパネル。このガラスパネルもそのままオールドダイニング「弥栄」で用いたこと

6、「みやこ踊り」のシンボル、「千鳥」。かつて弥栄会館の食堂で用いられていた「千鳥」モザイクは客室に,,,

「弥栄会館」を愛した京都人がそうしがものを見ることで「懐かしさ」と感じ、

それを保存する帝国ホテルの姿勢に心から感謝しているという噂を聞きます。

 

7、「オールドインペリアルバー」のテーブルは、角度がつけられていて革張り。

肘ついてグラスをくゆらすときに心地よい計算がなされている、

などなど。

 

声高に大袈裟に言わない、それこそが「日本の美徳」。

そんな意匠が随所に鏤められている。これだけでも体験してみたくなりませんか?

 

一泊300万円のインペリアルスイートは八坂神社、平安神宮など京都の三方向が見渡せ、

送り火の際に3つの文字が見えたり

一人こもって瞑想ができる茶室サイズの離れがあります。

 

どの部屋も贅沢な桜材、欅材、栗材を用いて、そこに柿渋で古美色をつけるなどのこだわりようです。

特に帝国ホテルでは初めての和室は北棟にあって簾越しに祇園の街並みがすぐ目の前に広がり、

明治大正の絵師たちが描いた「THE KYOTO」な雰囲気が手に取るように感じられる空間なのです。

 

まずは、一般客から利用できる

*オールドダイニング「弥栄」(料理は祇園川上監修)

*カウンター・フランス料理「練」(歌舞練場からとったネーミング。最後は目の前で繰り広げられる鉄板焼きが売り)

*ザ・ペストリーショップ(ガルガンチュアをブラッシュアップ。都をどりの団扇のオリジナルケーキもかわいい)

*オールドインペリアルバー

あたりからトライしてみては。

 

わたしも次回こそ、帝国ホテルならではの最高の「おもてなし」をフル体験して

ゆっくりくつろいでみたいとおもっています。

 

帝国ホテル 京都

http://www.imperialhotel.co.jp/kyoto/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来週4月8日から5回連続で18世紀のロココ時代、新古典主義時代をテーマにした授業を開始します。

現在パリでは装飾美術館、コニャック・ジェイ美術館、ガリエラ美術館等で、そして、この後は、元祖フォンテヌブロー宮殿やヴェルサイユでも18世紀マリー・アントワネットをテーマにした展覧会が目白押しです。

そんな最新情報も盛り込みつつ、たのしく、目から鱗の授業を開催予定です。

 

その時代の事件やその人の行ったことなどから、

性格や人となりが透けて見えると

300年以上前の18世紀の人物が友達のように感じますよ。その面白さを分かち合いたいです。

 

みなさまのお申し込みお待ちしています!よろしくおねがいします。

 

 

石澤季里

 

 

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現地の展覧会や実際に訪れた歴史的建造物の写真を用いて行う、パリから繋ぐオンライン講座です。今あるフランスの「アール・ド・ヴィーヴル」が誕生した18世紀。パリにはコンコルド広場に面したオテル・ド・ラ・マリーヌやルイ14世の庶子トゥールズ公が改築した旧オテル・ド・ラ・ヴリイエール、など、今も訪問可能な邸宅が誕生しました。講師の著書「謎解きフランス文化論」を手引きに、当時のマナーや住宅事情を理解しながら、邸宅の主人の社会的地位、朝の身支度から豪華なディナー風景まで、その暮らしぶりや趣味嗜好などを探っていきましょう。

 

 

 

1回目 4月8日 

オテル・ド・ラ・マリーヌ:シックな数寄者・王立家具工房監督フォンタニュー侯爵

 

2回目 4月22日 

現エリゼ宮:ルイ15世愛妾ポンパドゥール公爵夫人の食卓

 

 

3回目 5月13日

現フランス銀行:エキゾティズムを愛したフランス東インド会社監督トゥールーズ公

 

4回目 5月27日

オペラ・コミック・パバールの間:アートの目利きピエール・コルザのフランス初のメセナ活動

 

 

5回目 6月10日

現フランス国立図書館・ビニョン修道士と啓蒙主義、宗教感の変化と学び

 

 

各水曜日 16時〜18時 形式ZOOM講座

クラス番号・7T2ANa 

 

 

東京日仏学院

電話03−5206−2500

tokyo@institutfrancais.jp

http://institutfrancais.jp/tokyo/

 

 

今週の水曜日にパリに戻って、少しずつこちらの生活にフィットし始めています。

東京都何が違うって、何しろ寒い。

先週までは暖かかったそうですが、朝晩は10度以下で凍えています。

 

さて、パリに戻って最初の展覧会は装飾美術館で開催中の「18世紀の1日」です。

現在、パートナー美術館であるカモンド美術館がクローズしているらしく、

そちらの所蔵品がすべてこちらの倉庫に保管されているそうです。

というわけで、いつも以上に18世紀の所蔵品が充実しているというわけ。

 

今回の展覧会では、朝5:15から夜11:15まで。

18世紀半ばのパリ・パレロワイヤル界隈の邸宅の1日を想定して

各部屋ごと展示されるという趣向が凝らされています。

 

面白いのは、部屋ごとに18世紀を体現できるように

教会の鐘やゲームルームの時計の音が鳴り響いたり、

馬車がひしめきあっている道では喧騒の音がしたり「馬糞」の匂いがしたり(汗)

マダムのブードワールやバスルームでは、香水や当時、化粧に用いられていたパウダーの匂いが、

また、庭では芳しい花の香りがするといった演出がなされているところが凝っています。

 

いずれにせよ、会場はとにかく暗い。

当時は建物に、やっとフランス産のガラスが用いられるようになったとはいうものの、

窓はさほど大きくはなく室内に燦々と陽が差し込んだりすることは皆無。また、

夜の帷が落ちる頃の蝋燭の灯りの仄暗さが身に染みるといった感じでした。

暗くなるとできることが限られるためにそのぶん、朝が早い。だから5時15分には街が動き始めるわけです。

 

普段見ることが少ないたくさんのアンティークオブジェを見ることができる、貴重な機会であることは確かです。

たとえば、当時大人気だったフランス漆「マルタン漆」の馬車。

宮廷で高貴な身分の貴族だけが身につけることが許された赤いヒールの靴同様、馬車の車輪も赤く

その馬車が通ったら、何より優先させる必要があったとか。

当時のパリも街は汚く、淑女は道を歩くために靴に高下駄のようなものをくくりつける必要がありました。

そうした高下駄や窓から落ちてくる「糞尿」を防ぐための傘や高い鬘をつけた際にバランスを取るために持ったステッキなど。

ダイニングテーブルの上のビュフォンの陶磁器シリーズやセンターピース「シュルトゥ」も素晴らしかったです。

 

また、ポンパドゥール侯爵夫人がインド更紗「レアンディアン」を愛したけれど、

コットンプリント禁止令がでているヴェルサイユではさすがに着用するのは憚られて

彼女のプライベートシャトーでのみ着用したとか。知らないと素通りしてしまう逸話に溢れた通好みの展覧会です。

 

子供の衣装や遊び道具、ペットとして愛された犬小屋、

侍従の衣装など、普段取りあげられないものを見るチャンスでした。

 

 

これを皮切りに今年の秋までのパリは18世紀のオンパレードです。

次は、コニャック・ジェイ美術館の「18世紀の女性」展覧会を観に行こうかな。

また、ご報告いたしますね。

 

パリ装飾美術館「18世紀の1日」

〜7月5日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3ヶ月以上という長い滞在でしたが、こちらで過ごした楽しい思い出と新刊本を抱えて3月25日にフランスに戻ります。

長かったような短かったような,,,。

 

でも、帰国していたおかげで日本の宅急便サービスを活用して

著書の校正がとてもスムーズにできました。

 

そして、もうすぐ新刊本『謎解きフランス文化論〜こだわりのライフスタイルはどのように生まれたか』(大修館書店)が完成します。

 

 

 

 

どんな本になっているか、また、読者のみなさんの反応も気になるところですが、この本は、

10年ちかく、東京日仏学院やプティ・セナクルで教えながら学んだ成果でもあると思いますし、

2024年からフランスに滞在して、この目で見たり、友人フランス人にインタヴューした内容も盛り込んだ、

今の私に書ける精一杯を綴ったものです。

その意味では、この本を自信をもって世に送りだしてあげたいと思っています。

 

そんな新刊本の出版を記念して、

飯田橋の東京日仏学院で本の内容にもリンクするプチ・レクチャーが開催されることになりました。

滞在最後に、少しでも多くの皆さんにお目にかかりたいと思っています。

(地方に滞在する方はZOOMでのご参加も可能です)

 

皆さんのエントリーをお待ちしています。

 

Quel est le secret de la beauté des Française?

『謎解きフランス文化論〜こだわりのライフスタイルはどのように生まれたか』

 

フランス流の審美眼&フランス女性の美の秘密に答えるプチ・レクチャー。書籍先行販売&サイン会が開催されます!

 

日時・3月21日土曜日16:30〜17:30

会場・飯田橋、東京日仏学院

受講料・千円

 

 

 

 

QRコードから申し込み可能です。