ブルゴーニュの旅の最後を飾ったのは、マリー・ド・メディシスのお気に入りだった、ジャック・デュブレ・デュクセルの城コルマタンです。彼は、アンチ4世が提唱した「高貴な身分の者は田舎に住む」(英国のカントリーハウスも同じですね!)

を地で行った人物です。謁見の間には、彼のイニシャルHや家名のブレ(フランス語で麦)の絵が掲げられたパネルが張り巡らされています。

また、主階段はマリー・ド・メディシスがパリのリュクセンブール城で用いたのと同じデザインです。

パリの方はもう存在しないので、それを思い出させる貴重な階段というわけです。

 

また、18世紀のアンティーク家具キャビネットの源になったキャビネ・キュリオジテという、一角獣の歯やアルマジロなど、

珍品を集めた部屋や、壁付きの灯り「ブラ(腕)・ド・リュミエール(光)」の元になった人の手型の照明などが実際に見られる黄金の間など、プティ・セナクルの授業をここでそのまま行えるような

歴史的インテリアを学ぶのにふさわしい城なのです。

なかでも、オーナーが夜な夜な仕事したキャビネ・サント=シシルは、ろうそくにきらめくラビスラズリのブルーと金彩が美しく、

ワインを遠ざける節制の女神など、様々な寓意を秘めた絵が描かれています。

 

17世紀初め、ルイ13世時代のインテリアで飾られたこの巨大な城が、30年前から個人オーナーの所有であるということも驚きです。

 

城だけでなく、刺繍庭園は「4」をキーワードに地上の楽園を創り上げていたり、ラビリンスは、「8」やクーポールや永遠を意味するスパイラルをキーワードに天空の楽園を創っていたりと庭も大変魅力的です。

 

私たちはおとなしく、ラビリンスのクーポールに登ったのですが、

お一人の生徒さんが迷ってしまって、

クーポールから道を指示して差し上げたのも良い思い出になりました。

本当にいろんなことをしたな。

 

無事にブルゴーニュの旅も無事に終え、パリで最後のイベントを控えた最終日の日記です。