昨日、アンスティチュ・フランセ東京のアトリエクラス 第3回目 「ジョルジュ・サンドとロマン派の仲間たち」のオンライン講座を無事終了しました。

フランスでは、教科書に載るほど有名なサンドですが、日本では男装の麗人、ショパンの恋人ということくらいしか知られていないのではないでしょうか?

 

人生で700以上のレシピを書き残し、それを孫のオーロールに受け継いだサンド。

その元となるのは、愛する人々と食卓を囲み、おもてなしする楽しさを教えた18世紀貴族の祖母、マリー・オーロール・ド・サックスでした。

近年まとめられて出版されたサンドの料理本には、料理上手の祖母から受け継いだ料理に加えてサンド自らがパリや外国で覚えた美味しい料理や、息子モーリスの妻リナや孫のオーロールが書き留めた伝承のレシピが加わっています。

フランス語だと、MURIEL LACROIX さんの『LES CARNETS DE CUISINE DE GEORGE SAND』。

日本語だとアトランさやかさんの『ジョルジュ・サンド 愛の食卓』がオススメ。

GALETTE DE POMME DE TERRE ET FROMAGE BLANC(ジャガイモとクリームチーズのガレット)、は、

彼女の家があるベリー地方のスペシャリテでPLOYER(プロワイエ)と呼ぶミルフィーユのようなものの間にジャガイモとクリームチーズのピュレを挟んでいくお料理。大変そうですが、トライしてみたい一皿です。

 

ここに作りやすいレシピを掲載しますので、ご覧になって試してみてくださいね。

 

サンドやその時代のアール・ド・ヴィーヴルを知るうえで参考になった本FABIENNE REBLOUL SCHERRER著の『l’ART DE VIVRE AU TEMPS DE GEORGE SAND』もおすすめです。村の慣習やファッションについても細かく書かれています。

 

また、4月からはプティ・セナクルの講座で

美術評論家の西岡文彦先生と「恋と名画とアンティーク」と題した授業を開始します。

初回は、ルノワールの絵を題材に、今に息づくフランスの美的生活「アール・ド・ヴィーヴル」の礎を気づいたポンパドゥール侯爵夫人について彼女の愛したセーヴル焼や家具など、暮らしを彩るアンティークについてお話しします。

 

こちらも乞うご期待ください。

 

PATE DE FRUIT(フルーツゼリー)やジビエでお客様をもてなしたサンド。肉を筒状に巻いて作る雉のバロティーヌは定番でした。

 

最後に、「家事は文化」と謳い、食べることに真剣に向き合い、寛大で母性愛に満ち溢れ、村人からも「ノアンの優しい貴婦人」と呼ばれて愛されたジョルジュ・サンドの言葉を書き留めておきます。

 

*愛と同じで信仰はそれを探している間は見つからない

*年をとることは良いこと。時間がゆっくり穏やかに流れる

*いかなる美しさも自然の美しさには劣る

 

人情や伝統を大切にしながらも、強く、恋多き自由な女だったサンド。

時間があいたら、その膨大な著書の一部を読み始めたいと思います。