水曜日に終了したクラスの追加情報です。
ルイ14世の時代に、オランジュリーと呼ばれるサンルームができて、季節外れの野菜や果物の栽培が可能になりました。
これは、豪華絢爛趣味の王様が、
奇をてらった食材をサービスすることで
その権力と経済力を誇示したいという望みがあったことに反映しています。
ただ、それだけではないのです。
絶対王政、王権神授説を説いた王様は、「ルイ14世のもとでは、季節だってコントロールできるんだぞ」
自然=神の力さえもねじ伏せる事が出来るということを
自然の恵みである食材を用いて示そうとしたのです。
王様は、弁護士から菜園家に転身したジャン・バティスト・ド・ラ・カンティーニに命じて
ヴェルサイユ宮殿の敷地内に菜園を造り、大好きなグリーンピースやメロン、空豆やアーティチョークといった野菜や果物を育てました。
それによって可能になったのが、自然の摂理とは関係ない、
3月のいちご、冬のアスパラガス、12月のレタスという今のようなハウス栽培なのです。
そして、それは王様だけでなく、大コンデ公はもちろん、他の貴族の間でも大流行りし、
財力=ハウス栽培がステータスになっていくのです。
ヴァテルの映画の中には、パリから仕入れたガラスのキャンドルスタンドが割れて届き、その代わりに中身をくり抜いたメロンの皮をキャンドルスタンドとして用いる様子が登場します。それを見た王様は「これはインド風か?世はヴァテルから様々なことを学んだぞ」と満足する様子が出てきます。
それまで土に埋まっていた食材は貧乏人のものだと思われていたにも関わらず、貴族が
メロンやかぼちゃといったCOURGE(ウリ科)の植物を珍重し始めたのもこの時代。
そんな記述を上手に映画の場面に取り入れているのも映画「ヴァテル」の面白いところなのです。
それにしても、王様は大変な大食漢で一度の食事に
スープ4種類
雉1羽、ヤマウズラ1羽、大盛りのサラダ、ニンニクと汁が添えられた羊のスライスを何枚もと、多種のケーキやフルーツ、ジャムを食したそうです。
聞いただけで胃もたれがしそうですが、
食欲性欲共に旺盛だった王様だった時代のフランスは栄えたと言いますから。
さすがです。。。。
フランスの17〜18世紀のお話は、今学期最終回の講座へと続きます。