新春の幕開け授業、大原千晴先生によるグルメレクチャー「貴族からブルジョワへ、啓蒙主義がもたらした食宴スタイルの変化」を昨日、無事に終えました。

 

ズームと対面合わせて15名の方々にお集まりいただき、賑やかな講座となったこと深く感謝しております。

 

先生の舌も滑らかに、たくさんのトレビアが飛び出して楽しかったです。

 

ひとつだけ、先生があまり日本では知られていない17世紀の料理人、フランソワ・ピエール・ド・ラ・ヴァレンヌのお話に触れたのでコメントしておきます。

 

彼は、中世から近代に変化するフランス料理の礎を築いた人。

アンリ4世とカトリーヌ・メディシスの宮廷で料理長を務め、1651年に、

『La cuisinier francais』という400点からなるレシピ本を書いたことで知られています。

この本は、100年間に70刷も出版されたフランス料理のバイブルとも言える本。

この本がきっかけになって、それまで味にこだわるよりもプレゼンテーションにこだわっていたフランス料理のあり方が大きく変化したことになります。

 

彼の料理は健康的で洗練されていたそうです。スパイスの使い過ぎだった宮廷料理に、ブーケガルニのようなハーブの大切さを浸透させたのも彼。また、ベシャメルソースやシャンピニオンのデュクセル(茸のバター炒め)、また、バターを層にして作るミルフィールのようなパイなどを生み出したのも彼だそうです。

 

19世紀にアントワーヌ・カレームやエスコフィエがいたように、この時代にラ・ヴァレンヌがいたのですね。

一方で、ドパルデュー主演のVATELは映画の中では料理人となっていますが、彼はメートルドテルであるのが正しいです。

この時代のメートルドテルのあり方は、今とは別もの。

その辺りは、1月19日から始まるアンスティチュ・フランセ東京のズーム講座「愛するパリ!エピキュリアンの食卓」でお話しさせていただきますね。

 

 

Paris,je t’aime!La table de l’épicurien  

講座番号7T2GP

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    愛するパリ、エピキュリアンの食卓

     

    歴史に名を残すグルメの、食とテーブルアートのこだわりについてお話しします。

     

     

    le 19 jan

    ルイ14世を唸らせた食宴プロデューサー、ヴァテル

     

     

    le 2 fev

    オリヴィエ・ローランジェが再現する

    ブルターニュの海賊料理

     

     

    le 16 fev

    ロマン派の食卓 ジョルジュ・サンドと食通の仲間たち 

     

     

    le 2 mars

    アメリカにフランス料理を伝えた料理研究家・ジュリア・チャイルド

     

    le 16 mars

    18世紀絵画の中のグルメたち