昨日、プティ・セナクルではイギリスのアンティーク家具国家資格を習得した黒瀧先生によるクイーンアン様式のインテリアと家具について、対面&ズームでの講座を開催しました。

その際に、ご質問が出ましたのでこちらで共有させていただきます。

 

先生からの丁寧な答えです。今後も先生のクラスは続行予定です。どうぞ、楽しみになさってくださいね

 

 

石澤先生

今日はお世話になりました。

黒瀧先生の講座は初めてでしたが、たいへん有意義でした。
ルネサンス、バロック、ロココの違いがよくわかりました。
その次のネオクラシックやエンパイヤも、ぜひ取り上げてください。



私は家具の使用目的や配置にとても興味を持っていて、
今日のスツールやサイドテーブルのお話は、とても面白かったです。
黒瀧先生から続きをお聞きしたいです。

 

Q・映画の写真で、ベッドの両脇にルネサンス様式の椅子が配置されています。
  これは何をするために置かれているのでしょうか?
 

 


A・西洋のインテリア空間では、家具や調度品をシンメトリーに配置する事がセオリーとされてきました。

部屋の壁面の中央に暖炉、ベッド、大型のサイドボート、金箔仕上げのコンソールテーブルとその上に豪華なミラーなど、その空間の中心になる家具を置いて、その両側に椅子、小さなキャビネット、サイドテーブルなどの小型家具を配置して、正面から見た時に左右が対象になるように配置します。

映画の中のベッド周りの家具配置はまさにこのセオリー通りです。

実際に日常的に誰かが座るためではなく、装飾目的で置かれています。

特別椅子である必要もなくて、他の小型家具でも構いません。

家具をシンメトリーに配置するためには、同じ家具が2台必要になります。

なのでアンティークの市場では、椅子、小さなキャビネット、トライポッドテーブル、サイドテーブルなどの小型家具は、2台セットになっていると、1台で売られている価格よりもはるかに高い価格で取り引きされています。


 Q・同じ写真で、ベッドの足元に長いスツールがあります。
  これも足を載せるために置いてあるのでしょうか?


A・ベッドのフットボードに装飾が乏しかったり、この映画のベッドのようにフットボードが布で隠れている場合は、装飾要素を足す為にロングスツールを配置します。
就寝前後に靴を脱ぎ履きしたり、簡単な身繕いをするための椅子として使われます。

シンプルなモダンインテリアのベッドルームでも同じ配置を見た事があります。



黒瀧

http:/www.kurotakimichinobu.com/