4月18日に収録した講座のビデオが受講生の皆さんのお手元に届き、続々、質問をいただいています。
しっかり見ていただき、ありがたいです。
今日は、以下のご質問にお答えいたします。
〜今日、ポンパドール婦人CDを拝見しました。
とても興味深く面白かったです。
ファム・ギャラントのお話、夫を出世させる為に政府の要人を愛人にする風習を知って
色々な事が腑に落ちました。
ポンパドール夫人といえば「百科全書」と絵の中では知っていたものの、
王とのエピソード話も面白いですね。
ファッションもお化粧も興味深く、季里さんらしい視点も楽しめました。
さて、質問が2つです。
イチイの舞踏会ですが、なぜ、このような緑のトピアリーのような恰好をしているのでしょうか?
その時の舞踏会のお題としても、不思議なのです。新緑の季節だったとか?
由来を教えて下さい。
ディアナの恰好をしたポンパドール婦人、あんなに露出してたのかな~?
>はい、これに関しては、手元にある資料をあれもこれもひっくり返してみましたが、「なぜ、王の仮装がイチイ(常緑樹)だったのか」に関しては残念ながら見つかりませんでした。
王太子ルイとスペインからお輿入れするマリー・テレーズのために、1745年の2月に、王主催の舞踏会が何度も開催され、その一つが、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間で開催された「イチイの舞踏会」と呼ばれる仮面舞踏会でした。
王は、「若い者たちはダンスを好むから」という理由で、祝福の気持ちを込めてヴェルサイユの街をあげての舞踏会を何度も開催したのだそうです。
その日の記述は
「仮装舞踏会は夜中0時から開催された。私たちは、ヘラクレスの間と、傭兵の間、丸窓の間を通ってそこに入った。招待客は、玄関で仮面を外して挨拶し、受け付け係はその名前と何人連れてきたかを控えた。(最初の舞踏会にはド・ポンパドゥール夫人は直接招かれなかったので、彼女の友人を介して潜入したのです)。王はここでは仮面を外さなかった。彼と他7人はイチイに仮装していた。王太子と王太子妃は羊飼いの仮装で、シャルトル公、シャルトル公妃は同じく羊飼いで王太子たちと4人一組のカドリーユを踊った。王妃は長い間仮面をつけたまま散歩していた。私たちは、4部屋のあちこちで踊った。舞踏会は朝7時か8時まで続いた。」
私が思うには、主賓の王太子と王太子妃が羊飼いになるということで、
王も屋外に関するイチイになったのでは?と思いますが。何かご意見があれば教えてください!
ちょっと前に、ヴェルサイユの庭師が書いた本を読んだところ、ヴェルサイユの庭の様子が当時の流行の植物などを取り入れながら歴史の中で少しずつ変わっていったとありました。
イチイがその当時、流行ったのかは忘れてしまったのですが、
刈り込みの仕方などは時代の流行があったようです。
この本を図書館で借りたのか、手元になくてはっきりしません。
よかったら探してみてください。
なお、ヴェルサイユ宮殿のグラン・トリアノンの「ギャラリー・コテル」の絵を見ると、ルイ14世の時代の庭や庭道具が手に取るようにわかります。コテルの絵は大好きなので、いつか芸術ヒストリアンのカトリーヌ先生に講座をお願いしたいと思っています。
庭好きの方には是非、その講座を聞いていただきたいです。
それからサヴォニ織りについても、もう少し詳しく教えて下さいね。
>サヴォニエ織りは、フランス語のサヴォン(savon 石鹸)から来ています。
1600年以降、それまで、トルコ、カイロ、ペルシアから輸入していたペルシア絨毯のようなものを自国で生産することを思いついたアンリ4世によって、ルーヴル宮殿の工房で「日の出る国」の技法のタペストリーの研究が始まりました。
そして、25年後。「ポワン・ヌエ」という糸で輪を作り、それを毎回結びながら織り進め、最後にその輪を切ることによって毛足が長く、目のつまった高品質の絨毯を作る技法が完成しました。
そして、現在のトロカデロにあるシャイヨー宮の場所にあった石鹸工場を買い取り、
国立絨毯工房を開設しました。これが、サヴォニエ工房の始まりです。
また、この場所に隣接して孤児院もあり、成人した子供達がこの絨毯工房で修業したという記述もあります。
こうして造られたサヴォニエ織りは、ルイ14世の時代に金銀糸を用いて織られたゴブラン織りに変わる流行のインテリア用品となりました。
これには、ド・ポンパドゥール夫人も熱狂した「異国情緒への憧れ」という波が大きく影響していると思います。
いかがでしょうか?
ロココ時代のアール・ド・ヴィーヴルの機運が少しでも感じられたら幸いです。
5月30日には、
世紀の愛人シリーズ4 「太陽王を改心させた 聖母マリアの化身 マントノン夫人」講座もビデオで開催する予定です。
ルイ14世が秘密結婚したマントノン夫人の秘話をたくさんお話しする予定ですので、こちらも合わせて受講頂けると嬉しいです。
今後とも、どうぞ、プティ・セナクルをよろしくお願いします。
http://www.antiqueeducation.com