シール、インタリオ | Miniature(みにあちゅーる) | アンティークギャラリーの愉しみ

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浮彫のカメオに対して沈彫のインタリオ。

カメオは現在でも宝飾店に数多く並んでいますが、ジュエリーとしてのインタリオは日本人にとってはやや馴染みが薄いものかもしれません。

インタリオの歴史はカメオよりも古く、シールとして使われることを目的として発達してきました。

シールとは、ロウをたらした上からインタリオを施した紋章などを押し当てて手紙の封としたもの、またインタリオの紋章そのものを差し、現在"ペタッ"と貼るシールの語源にもなっています。

アンティーク・ジュエリーとして耳にするシールはこのインタリオを施した押印道具のことで、道具と言えども印面の彫刻の素晴らしさだけにとどまらず、持ち手部分のデザインや細工の美しさも収集家の心をくすぐる要素です。

実用品でありながら美しさをも兼ね備えるシールは、民藝の父 柳宗悦氏の「用の美」という
言葉を思い出させます。

インタリオは日本の印鑑のような浅い線彫ではなく、ロウにしっかりとした立体形状を残すよう
深く彫られているため、技術的にはカメオよりもずっと難しいのだそうです。

見て美しく、使って美しい・・・

そんな1つで2度美味しい(?!)ようなところもシールの魅力と言えるかもしれませんね。


 


このシールの紋章、実は登録制なのだそうでイギリスでは紋章院をたずねれば、系譜を辿ることができると言います。

さすがイギリス・・・

ホールマーク同様、きっちりとしたお国柄が伺えます。

日本では実印の登録はあっても家紋の登録はありませんよね。

最近は自分の家の家紋がわからないという人も多く(私もその一人です・・・)家紋はもはや存亡が危ぶまれる状況で、、、何だか残念な気がします。