物質界の外的な諸条件が自分に命じる事柄と、自分自身が正しいと考える事柄との間に立って、中庸の道を見出しましょう。
自分は外的な物質界の所産物であるだけでなく、魂的=霊的な存在でもあるのです。
この周囲の世界(物質界)が認める事柄だけを行おうとする傾向から自由になりましょう。
自分が真実と考える事柄の承認は、認識を求めて戦う自分自身の誠実な魂の中にのみ、求める。
と同時に、周囲の世界にとっては何が有益なのかをできるだけ知るために、周囲の声を傾聴する心も持っていましょう。
このようにして修行者は神秘学が「精神の天秤」と呼ぶものを自らの内部に作り出します。この天秤の一方の皿には外界の要求に対する「開かれた心」があり、もう一方の皿には「内的確信と不退転の持続力」が置かれています。
(130~131p)
自分の魂や霊としての内面の存在を信じながら、外的・社会的・物質的な世界の制約や要求にも耳を傾ける、ということでしょうか。
それとは鏡合わせのように、外的な世界が要求したり認めている事柄だけを信じようとする傾向から自由になる。
つまり、内的な世界があることも認め、信じ、受け入れてみる。
外的世界を信じているのと同じくらい内的世界や法則、運動性を信じてみる。
そして、内的世界だけに閉じこもるのではなく、また、外的世界だけを信じるのではなく、バランスをとってみる。