964との出会い

Porscheってずっとずっと昔から知っている車。それもほとんど同じ顔とスタイルで。でも、真剣に買おうと思ったことは一度も無かった。自称車好きとしてはそれ相応の知識は持っていたつもりだし、多くのファンがいることも納得はしていた。しかし、そのカエルのような顔つきや、空冷エンジンのバサバサした音を街で見かけるたびに、自分の嗜好には合わないと思っていた。ところが水冷に変わって、普通になった996が不人気故にここにきて新型の997と993までの空冷エンジンに挟まれて中古者価格が暴落している。自分は996の顔も嫌いではない。ちょうどW124の後釜の足車を探していた自分は、そのお買得なポルシェを物色し始めた。ところが、現車を色々見ていて、993のTiptroや964の程度の良い物件の価格が完全にオーバーラップしていることにも気づいた。特に興味の無かった空冷。それを身近に見て、乗って、次第にそちらに惹かれるようになった。難しい理由はない。サイズ、プロポーションのバランス、シートの感触、すべてがきっちりと作り込まれた筋肉質のような感触が自分にしっくりくることに初めて気付いた。結局、程度のすこぶる良い964に出会うことになったのである。
イタリアのデザインに比べ、理詰めではあるが色気がないと思っていた外観や内装、それが自分にとっては全く逆で、プロポーション、面のつながり、色んなところにデザインの妙を感じる様になる。ガレージに並ぶF308の色気やオーラには比ぶべくもないが、決して見劣りのしないグラマラスでマスを感じるボディーは正直、嬉しい予想外であった。
