車内をもう少し見比べて見ましょう

前々回にメーター周りを比較したが、今日はもう少し車内全体を考えてみたい。まずは964。すごくスポーティーだという人もいる。ちょっと古めかしいと感じる人もいる。機能的だという人もいる。
私の場合、むしろそういった事より、フロントウインドウが立っていて、顔に近く、またダッシュボードも非常に近いので操作系との親近感、一体感を強く感じる。私の964の場合、オプションの革装ではないので、シート以外はプラスティックやビニールレザーだが、その質感は思ったよりも高い。硬質ではあるが、表面のシボも良くできていてチープには感じない。シートのクッションの厚みが高く、乗り心地もすばらしい。前にも書いたが、メーターが大きく、計器類を強く実感できる。言い換えれば、機械、乗り物、操縦といった言葉が自然に浮かんでくるデザイン。
適度に狭いということも自分に取っては、運転しているという実感をより味合うことができる理由である。写真で見るより実際は各パーツが近く見えることにより印象が異なる。全体像というより、それぞれのパーツの存在感が強い。(良い意味で)
この車は黒一色だが、いろんな色の組み合わせを持つ964であるからして、あくまでも私の印象は黒一色を前提にしたものではあるが。

一方、308はもう機械や機能というよりは、デザイナーの強い主張を感じる、要するにデザインそのものであると思う。機能的に凝集したメーター類を覆うメーターナセルも実はデザインで、シートもデザイン(機能的ではあるが)、そしてスイッチ類にいたっては「このように見せたい」以外なにものでもないというのが私の評価。乗り込むのもアクロバット、運転姿勢も寝そべって、すべてに力ずくで運転しているのだけれど、それでいて開放的で、広々としている。(964に比較しての話だが)
それにはフロントウインドウの位置、角度も影響しているのではないかとも思う。
総じてこれはもうスポーツカーと誰もに感じさせることを意図したデザインであると言いたい。色の組み合わせによって、もちろん印象は異なるが大きな違いはないと思う。
しかしながら、作り込みは正直言ってチープと言わざるを得ない。いくら古いといっても30年前には質感の高い内装の車は多く存在していた。プラスティックやビニールレザー部分の質感はお世辞にも高いと言えない。しかし、それを持ってしても減点対象になりにくいのは、やはりデザイン力か。

どちらが良いかというのはナンセンスだろう。自分は評論家ではないので、あくまで自分がどう感じるかしか言えないが、どちらにも惹かれる自分はある。あるいは単純にどちらも良く出来たデザインであるというだけなのかもしれないが。