手をつないで駆け上がった駅の階段を
上り切って見えたのは
終電の顔が小さくなっていく姿
キミの最寄り駅は3駅先
周りを見ても空車はいない
「歩いて帰ろうか」
オレの言葉に頷くキミの瞳が夜空の星よりも
綺麗に見えた
歩いても歩いても
空車は向かっても追いかけても来ない
見つかったらどれだけ楽だろうと思ったけど
キミと同じ時間を過ごせるなら
オレはこのままで良かった
ただ心配なのはキミの足
「ヒールじゃなくてスニーカーだから大丈夫」
と言ったけど3駅先まで歩くからやっぱり心配
夜空を見ながら歩いていたキミが
「あれっ?流れたよ、ほら!また流れたよ」
そういえば「今夜は流星群が見ごろ」
とどこかで言ってた事を思い出した
オレ達は足を止めて夜空を眺める
キミはどんな事を星に願っているのかな
オレはキミとの距離を縮められますようにと
何度も何度も願う
キミは眺めたままでまだ歩こうとはしない
オレとの事を願ってくれていたら嬉しいな
キミが歩き出すまで
オレはまた同じ事を流星に何度も何度も願う