生命の
ほの淡い灯りを
ふたりで
ひとつ またひとつ
灯してゆく
灯りを灯した向こうには
滑走路が
くっきりと
浮かびあがる
ふたりだけの夜間飛行
逝き先だけが
わかればいい
手のひらのぬくもりも
しだいに
失われてゆくけれど
ふたりだけの夜間飛行
逝き先だけが
見えればいい
永遠に流れる気流にのり
宙の墓標へと
辿り着く
宙にとけた
ふたつの生命も
輪廻をくりかえし
闇をぬけて
暁を 高らかに奏でる
いまはまだ
ふたりだけの消灯飛行
ふたりだけの灯りを
ひっそりと 灯して
宙の墓標へと 辿り着く
誰にも見えない灯りを灯して
宙の墓標へと 辿り着く