読書の会メモ「対話篇」 | 物語の庭

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カフェと図書室、わたしの人生。

第3回読書の会、続いてはわたしの紹介本です♪

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「対話篇」
金城一紀 著
新潮文庫

【どんなお話?】
男同士の対話からなる3つのお話。
「花」は、病気で自暴自棄になった男と、別れた妻の記憶を取り戻そうとする老人のドライブのお話。

【印象に残ったセリフ】
「本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうから」

【どんな人におすすめ?】
愛する人がいる方に。

【感想など】
老人と別れた妻が、本当に愛し合っていたのに気持ちがすれ違っていくのが悲しい。ラストシーン、妻の本当の気持ちがわかるところがいい。


「GO」で直木賞作家となった金城一紀さん。映画もヒットしました。

この「対話篇」は、3つのお話が入っており、そのうちの2つ「恋愛小説」と「花」が映画化されています。
情景が目に浮かぶような金城さんの作品は映像化したくなってしまうのがわかります。

この「花」というお話。別れた妻の遺品を取りに鹿児島へ行く老人に、運転手として雇われた男のお話なんですが、道中の老人が語る回想と、ラストシーンが見事につながって、もう涙、涙なのです。

純粋に人を愛する気持ちが、語り手と聞き手による対話という形で浮かび上がる、素敵なお話です♪