休業選択の自由?の話。 | 人事・労務は、あんしん第一! 社会保険労務士法人・行政書士法人 あんしんサポート

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こんにちは、木戸でございます。


『従業員の副業を禁止できるか?』 という相談の回答をするべく、いろいろ
調べておりましたら
副業の禁止は憲法が保障している職業選択の自由に反するので、限定的な
禁止しかできない・・・』 という旨の記事を見かけました。

憲法に登場されてしまうとは、、、確かに職業選択の自由はありますね。


そんなこんなの一方、まったくの別件で
『出産を控えた社員が、メンタル疾患を理由に傷病手当金を受給している。
出産手当金と傷病手当金は重複受給できないが、その後、育児休業開始後、
育児休業給付と傷病手当金は、どちらも受け取れるのか』 という質問が。

考えたことがありませんでしたが、確かに併給禁止の法令等はありません。


というようなわけで(?)今回は、職業選択の自由ならぬ、育児休業と傷病の

治療のための休業との休業選択が必要なのか? という感じの話を。

・・・と思ったものの、勿体ぶって結論を引っ張るのは嫌なので、先にご回答
しますと、どちらも受け取れます

以下、それぞれのおもな給付要件を並べてみます。


■ 傷病手当金の受給要件

 1.給付の主体は健康保険(健康保険協会、健康保険組合)

 2.業務以外の原因で発症した病気やケガにより、業務に就けないこと

 3.欠勤(休職)により無給であることの事業主証明と、療養のために
   労務不能であることの医師証明、両方が必要

 4.直近1年の平均標準報酬月額をベースに1日あたり給与の67%給付
   ⇒大雑把にいうと、給与日額の67%給付

傷病手当金と出産手当金は、同じ健康保険法に定められている給付のため
併給の調整(どちらか一方のみ受給)が定められています。どちらの要件も
満たした場合、出産手当金が優先されます。

なお、現在は傷病手当金の受給は、支給開始日から1年6ヵ月 ですが、
支給開始日から1年6ヵ月 に改正されます(2021年1月~)。



■ 育児休業給付金の受給要件

 1.給付の主体は雇用保険(労働局)

 2.1歳未満の子を養育するための休業(父親・母親いずれも可能)

 3.1歳後の子の育児休業には、保育園の入所が不可能である証明が
   必要(1歳6ヵ月までその状態が継続中の場合は2歳まで可能)。

 4.休業前6ヵ月に得ていた給与の1ヵ月平均額の67%、育休7ヵ月目
   以降は50%

ざっくり計算ですが、両方の給付金を足すと給与額の3分の4133%)。
働いているときより“儲かってしまう”わけですが、それぞれの給付の主旨
は異なるので、有効に活用して頂きたいものです。

という柄にもない優等生コメントで締めくくりつつ、本音は、どちらの給付も
縁がない者の僻みで 「給与より多い給付はおかしいだろ~!」 です(笑)


以上、業務のご参考になれば幸いです。





爺 「おぉ!これは良いヒントを得たぞ!ウツ病になって傷病手当金貰って、
   婆さんの介護もすれば、傷病手当金と介護休業給付のW給付ぢゃ!」


孫 「おぢいちゃん、、制度上は可かも知れないけど、ウツ病には程遠いし、
   婆ちゃん元気一杯だし、給与カットされないように頑張るのが優先!」