またまた出て来た疑問、以前にも書いてますが少し答えます。
この言葉を素直に納得するのは利用した会員家族――、
半信半疑なのが一般消費者――、
納得できないのは一般の葬儀社経営者か従業員――、これが本音だろうと思う。

最近は紹介からの入会が大半で言われませんが、数年前まで定時料金では済まず、

追加されるはず、と思ってた利用者が大多数だったようです。
見積書と請求書が同じ金額は当たり前なのに、

「本当に、これだけで良いんですか!?」
何十回となく聞いたセリフ、これだけでも一般消費者が半信半疑なのは分ります。

一般の葬儀社経営者や従業員が納得してないのは話してると分ります。
例えば僕が「家族目線」と言えば、心の中は『うちだってそうだよ』と思うのが
本心なんだろうと感じますが、面倒なので黙っています。
過去に前例が無いので当然ですが、立ってる土俵の違いに気づかないようです。

前職の美容業社長時代、2件のホテルで婚礼美粧を手掛けてました。
披露宴当日の写真撮影は会場にいる時間が減ると、前撮り撮影も多かったです。

あるホテルは写真屋が2件入ってましたが、1件は利用者と自分達の立っている
土俵が違うことに気づかない人でした。
内掛けと呼ばれる和装経験のある人なら分りますが、着物は苦しいし、かつらは
窮屈で重く、同じポーズで立たされたら気持ち悪くなる人も多いんです。
(映画などで見る大奥のお局様のような支度です)

撮影では動かないよう立たされ、着物のあちこちを直してはレンズを覗き、更に
直すを繰り返していると、そのうち気持ち悪くなり立っていられなくなる――、
結局は一旦着物を脱ぐことになります。

当然、時間は掛るし一度気持ち悪くなったら、着物を着て立ち姿になると、再度
気持ち悪くなる――、を繰り返す新婦もいます。
出来ちゃった結婚でつわりがあれば、大半このパターンになります。

花嫁が着物を脱いで気持ち悪いが治るまで30分は掛かります。
すると写真屋さんは「折角、綺麗に撮ってやろうとしたのに――、」と愚痴とも
言い訳とも取れる言葉を我々に言います。

この写真屋さんの綺麗に撮ってやる――、は新郎新婦の土俵ではありません。
自分の感覚最優先の土俵であり、写真屋の自己満足でしかありません。
いい写真を撮ってやるの基準が分りません。

新郎新婦の幸せそうな感じが出てる写真が最高だと思うのですが――

葬儀屋の基準も家族目線で見ると理解できないものが多いです。
『儲けたい感覚』を達成する為の霊感商法と誘導商法を駆使するのが葬儀屋だと
思うけど、当人は家族の為に色々教えてあげてる感覚です。
これを家族目線と勘違いしてる葬儀屋さんは多いと思う。
ってゆーか、普通に商売なんだし、できるだけ高額にしたいのが本音なんだから、
家族目線なんて言わなきゃいいと思うけど――、
その場凌ぎで余計なことを言うから、結果として悪評に繋がることになります。

この文章でも雰囲気は分るでしょうけど――、具体例を書いてみます。

先日ある病院から紹介された家族が事前相談、相談から11日後の逝去でした。
事前相談の段階で財布事情に余裕は無く、墓も無いと分りましたから、選択肢は
迷う必要もなく『ぱっく60』1択、いつものように葬式相談は5分ほどで終了。

その後は世間話をしながら、家族関係、何を伝えるべきか探ると、20年以上も
家庭内別居状態が続いた後、奥さんは娘さんの家で一緒に生活、対象者は自宅で
一人暮らし、いよいよ離婚しようと思ってた矢先の入院だったと分ります。

この本音を家族から口にするまでに持っていくのが話術です。

医者から余命わずかと言われたと聞き、市内の人でなく、車で30分以上は掛かる
地域の人でしたから、逝去後の流れで本音が言えるよう水を向けます。

「ならさぁ、必要事項を聞いて、認印を預かれば、もしもの時は、あんしんサポ」
「ートに直接電話して貰えれば迎えに来てくれる事になってます。って病院側に」
「伝えておけば、逝去時は病院に来なくても良いし、搬送、安置して火葬日時が」
「決まったら伝えるから、火葬と拾骨は来ても良いし、なんなら火葬と拾骨まで」
「済ませて、焼骨は、あんしん館に持ってくるから支払いに来ても良いよ」

この方法を選択するには、以下の余分な行動が必要になります。それでも望むと
したら、それが今の夫婦親子関係なわけで、それがこの家族への家族目線です。
・事前に認印を前橋あんしん館まで持ってくる必要がある
・病院にも当方が迎えに来るからと伝える必要もある。 すると――、

「あ、そうですか、なら100円ショップで認印は買って持ってきます」
「あと病院の看護師さんにも伝えておきます」

やっぱそうか――、話して感じた夫婦親子関係は、間違いではありませんでした。

まず、ここまでの段階で、
「えーっ、最後なのに――、夫婦だし、親子なのに冷たすぎない!?」
と思われる方もいるでしょうが、それは我々が口を挟むべき問題ではありません。
この家族の目線を最優先するのが葬儀支援です。
それが問題なら、依頼を受けなきゃ良いんです。

火葬当日、指定した11時、あんしん館に来た母娘に拾骨した骨壺の中を見せて、
少しだけ焼骨の説明をし、支払いを済ませると故人に借金があると言います。

「ん、ちょっと待って故人は借金があるの!?」
「はい、多分・・・」
「多分!?」
「昨日、弁護士という人から連絡があって、亡くなったことを伝えたら、ならば」
「除籍謄本を持ってきてください。って言われたから――、」
「なるほど、今の話しを聞く限り、貸した側が依頼した弁護士だよね」
「問題は他にも借りてる可能性があるでしょ!?」

詳細は書きませんが、ここから話しが始まり、逝去後の各手続き、相続放棄する
人達や手続きなど、すべき順番と、手続きを行う月日を伝えたり、家は故人名義、
土地は借地、家財道具や取り壊しなどの話など2時間ほど話し、娘さんはメモを
全て取りながら、理解できない部分は再確認して帰りました。

この家族の施行が当方で無かったら、相続放棄まで辿り着けたでしょうか――、
葬式について家族と話すのは長くても10分ほどです。
しかし今回のような話しは数時間もザラです。

建前の話しはしません。 綺麗事も言いません。 お客様扱いもしません。
この家族にとって最善で家族の生活が守れることだけを話します。
家族の生活を脅かす存在なら、それが親戚、宗教者でも否定します。

無理をしそうな家族は、叱ることさえあります。
家族に必要な葬式の具体的な内容、葬式後の手続きも全て教えます。
見積りと請求書が異なることはありません(家族の希望追加が無い限り)
追加があれば、理由と、料金は、全て事前に伝えおきます。



いかがでしょう。みなさんの地域にある葬儀社と同じでしょうか?

立ってる土俵の違いがご理解頂けたでしょうか。 そして・・・
葬儀社と葬儀支援、似て非なるもの――、少しご理解頂けたでしょうか。

 

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