現行の葬式で無駄な事『1. ドライアイスの入れ替え』
今回から暫くは葬式施行する人間として、理解できない事や、無駄と思うことなどを書いてみます。ただ何事もミニマリスト感覚が良いと思っていません。
人生には無駄がゆとりを感じさせてくれる事もあると思っています。
洋服は2枚持っていれば、洗っては着るを繰り返せば無駄はない――、最近流行の断捨離(入って来る物を断り、余分な物は捨て、執着から離れる)確かに無駄はありませんが、小さな無駄は物でも、時間でも、空間でも、時に人間関係に於いても、必要な無駄はあるし、今は無駄でものちの人生に必要なことだってある――、その意味では今の無駄が必ずしも無駄とは限らない。
必要な無駄もあれば、無駄な無駄もあり、葬式では無駄な無駄が多過ぎる気がしてならない。 家族目線で見た葬式の無駄は一考する価値はあるでしょう。
今回は素人の無知を利用した『ドライアイス』の無駄です
『ドライアイスとは』
・炭酸ガス(二酸化炭素)を圧縮固体化した物でマイナス78.5℃と超低温です
・遺体には2㎏~2.5㎏のブロックで使用(綿花、専用紙等で包みます)
・遺体の下腹部、腹部、胸部を中心に身体の上に乗せて使用
・基本的に上記以外、他の部位への使用は必要ありません
・合掌は一度解き、必要なら湯かん直前に組めば冷却は効率的にできます
・死後硬直は24時間前後がMAX、その後軟化が始まり72時間ほどで解ける
・普通体形の人なら10㎏で充分です
・但し体格の大きな人(100㎏以上)は倍量必要な事もあります
・或いは体温40℃以上など高熱中の逝去も初回の減りは速いです
・例外として事故等の出血凍結に使用する場合もあります
・気温、室温が高く安置日数が長い時は頭部冷却も必要(脳腐敗防止)
・腹部完全凍結した場合、解凍に半日~1日掛ります
通常の遺体なら10㎏のドライアイスで冷却すれば翌々日の葬式、火葬ならば充分間に合うはずです。 翌日のドライアイス補充は必要ありません。
しかし葬儀屋は翌日も入れ替えると家族から聞きます(利益の為でしょう)
また葬式経験のある家族から聞かされたのは、遺体の周囲や顔の両側に置いた葬儀屋があるようですが、死臭がしてきたそうです。
この行為自体あり得ませんし、葬儀屋だとしたら無知にもほどがあります。
この使用なら火葬や葬式の時点では腐敗臭がして当然でしょう。
包んだドライアイスは、冷却したい部分の上に直接置いて冷却が基本です。
薄手の服なら効きますが冷却効率は下ります。
身体の周囲に置く効果は、納棺状態での棺内の温度を下げる場合だけです。
とはいえ、身体の上に直接置いて布団を掛けるのが最善です。
凍結した肌は茶色っぽく変色しますが、解凍すれば元に戻ります。
凍結させず、腐敗させず、臭いを出さずがベストですが、遺体に付き添って対応をしない限りは無理です。
3℃ほどで腐敗は進まないと言われますが、実際には腐敗臭はしてきます。
凍結しなければ数日で死臭が出ます。
実際には病院や施設から搬送時点で腐敗臭のする遺体はたくさんあります。
一度腐敗臭が始まったら、臭いを抑え込むのは容易ではありません。
また合掌を組んでのドライアイスは、冷却効率も下がるし、腕や手を凍結させますから一旦外して冷却します。
何事もそうですが、優先順位でことを進めます。
1. 遺体は腐敗させず、腐敗臭も出さないのが最優先です。
2. 火葬時間に合わせ解凍する(火葬時間の短縮になります)
これが施行者として行う遺体処置の優先順位です。
家族目線では、
1. 遺体は腐敗させず、腐敗臭も出さないのが最優先です。
2. 口や目を閉じ、髪を整え、穏やかで寝顔の故人にすることです。
本来、葬儀屋に必要な知識で家族が持つ必要はありません。
しかし家族の無知を利用して、自社利益の為に毎日ドライアイスを入れ替える
葬儀屋が非常に多いと聞かされる現実に対処する為、家族にも知識が必要です。
ドライアイスは1回1万円~の追加料金が多いでしょう。
安置から6日目の葬式(火葬)だとしましょう。
一般の葬儀屋では、2日目、3日目、4日目、5日目、と毎日4回追加をした
と言う家族が大多数ですが、この点は疑問――、本当でしょうか!?
4回追加ですから4万円+税=44.000円の追加です。
ちなみに、うちの場合なら――、(1回最大15㎏までの料金)
・1日目は搬送直後で一緒ですが、次は4日目以降まで追加ありません。
・1日目+4日目(1回追加)で6日目葬式(火葬)まで問題ありません。
・金額では9.000円で税込9.900円の追加です。
・9.000円×4回=36.000で、税込39.600円ですから差額29.700円です
・これが1回10.000円の葬儀屋なら、差額は33.000円
・さらに1回12.000円の葬儀屋なら、差額は44.000円
『当方のドライアイスが少量で足りる理由』
・ドライアイスの上に保冷剤を置きドライアイスの解凍遅延を図ります。
・半分や、小さくなってもドライアイスで効果は変わりません。
・5日目は解凍を始める必要があるのでドライアスは不要です。
・ドライアイスとは、腐敗を進ませない為の手段で必要量以上は不要です
ドライアイスの要不要の判断は家族でも可能です。
・ドライアイスを当てた部分の故人の身体を触れば凍結の有無は分ります
・凍結してたら解凍までに半日~1日掛る計算をすれば要不要が分ります
家族に聞くと葬儀屋は「ドライアイス入れ替えますね」と言うようです。
そう言われたら「お願いします」と言いたくなりますが、朝起きたときに上記の要領でドライアイス残量と凍結具合を確認しておきましょう。
基本的に入れ替えは必要ありません。
必要なのは「足らないので入れますね」か「足らないので足しますね」です。
ドライアイスを包んだ紙や綿花だけが残り、ドライアイスは跡形もなくなる。
あとは安置時間と追加量の問題ですから、完全凍結から完全解凍まで24時間掛ると思っていれば、ある程度の判断は家族もできるでしょう。
ちなみに、最初に入れるドライアイス量について、うちの場合で言うと――、
・10㎏ドライアイスを入れた3日目の葬式、火葬なら追加はしません。
・10㎏ドライアイスを入れた日から4日目の葬式、火葬なら追加が必要です
(通常追加は10㎏以上の単位です。6日目までは1回追加で間に合います)
(1回で3日目なら、追加1回で6日目は極普通の計算でしょ)
6日目の葬式で差額3万円ほど、わずか3万円、されど3万円です。
この積み重ねが葬式費用で数十万円、100万円の差となる一歩なんです。
そのくらいの違いなら――、その安易な判断が葬式貧乏の始まりです。
葬式料金の違いは、使用品に差がなければ原価に大差はありません。
大手葬儀社のほうが施行数は圧倒的な多いですから単価は安いでしょう。
あとは利益高の差と今回のような要不要の対処法の差です。
少しでも儲けようとするか、家族の負担を減らそうとするか――、
この根本的な信条の差と言えるでしょう。
にほんブログ村
誰もが終幕後の費用を心配する事なく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えてたか嘘のつけない自分日誌でもあります