「葬式の話しってほとんどしませんよね」

昨日も言われましたが、良く言われる言葉のひとつです。
事前相談でも数分、逝去後の相談でも、しても数分、ほとんどしません。

家族なら「どんな事を考えておられますか?」
家族以外なら「対象者との関係は?」
全員に「お墓はありますか?」

聞いても、この3つくらいでしょう。
基本的にパンフレットをしっかり見れば全て分かるようになってるし、以前なら
説明すると「なるほどぉ」と言われましたが、今は「そう書いてありました」と
大多数はちゃんと見てるから、いちいち説明する必要は無いんです。
究極のパック決定までに12年掛かりましたけど――、

友引、家族の都合、予約満杯などで安置の追加が発生で、2日間以上安置が追加
される場合は、ドライアイスの追加が出るのを伝えれば完了です。
我々も家族も腹の探りっこは要りませんから簡単だし、家族に疑念が出ません。

これは事前相談でも、葬式の打合せでも一緒です。
なら話しは10分もすれば終わりか――、いいえ違います。どんなに短くても最低
1時間以上にはなるし、長ければ2時間、3時間てこともザラです。

殆どは『死後手続き』『この家族へのアドバイス』『家族の知らない事を教える』
という時間となります。実はこの手の話しをしてくれる所がありません。
これは葬儀屋に限らず、この問題は何処に行って聞けば良いの?もあります。
支払い残、葬祭費、年金、保険、携帯解約、車、家屋敷、財産、負債、自宅整理、
さらには残る家族の生活――、これらをまとめて教えてくれる所がありません。
それを僕がしているだけの事です。家族は全く知らない事ばかりで、すぐに理解
できません。だから家族全員を集めて話すことも多く、たまには――、

「あのー、あとでまた家族に話して貰えませんか?」
なんて言う人もいますが、
「やだよ、面倒くせぇ」
と笑って言うこともあります。 こんなケースは結局、あとで話す事になるから、
その時点で話しはやめ、違う話題に移ります。

何故葬式の話しを長々しないか――、
存命中に行う葬儀が大事だと事前相談でしてあること、その時間が無かった人も
だからと言って逝去後に高額な費用を掛け騒ぐ必要が無いと思っているからです。

逝去後に必要なのは、たったひとつ『温かく送ってあげる』これだけです。
温かく送りるには、送る側が無理をしては温かい心が維持できません。
仮に10万円掛ると思ってたものが、7万円で済んだら人の心は冷めません。
逆に10万円掛かると思ってたら、13万円掛かったら人の心は冷めます。
だから家族が選んだパックに無理があると思えば、その下を勧めます。最終的に
最初に選んだパックに決まったとしても、我々から勧められたものでなく、一旦
考え直してから、自分で決めたものですから心は冷めません。

そう考えると、僕が一番神経を使っているのは、家族の心を温かくし、その保温
維持なのかもしれません。 

 

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