火葬が終わると、火葬炉から出して「別トレーに移す
火葬場」と「熱い台車のまま拾骨する斎場」がある。
熱いまま出てくるのは古い火葬場が多いでしょう。
ついでに言うと、最近煙突が見えませんが、屋上など
にあり低いので、あるように見えないだけです。
「箸渡し」について
拾骨の時に使う、この言葉自体があり得ません。
日本は土葬が基本でしたから、土葬した遺骨を箸渡し
などできるはずがありません。
二人でひとつの焼骨を挟んで三途の川を渡る手助けと
いう説、それも土葬なのですからあり得ません。
誰がいつ決めて、何処が作法なんだと言いたい。
全て火葬に変わってから作った話しに過ぎません。
「手で拾う」ほうが望ましい
熱いまま出てくる斎場は火傷するから箸で拾骨です。
多分、これが箸で拾う習慣の始まりでしょうが、無理
やり、こじつけ理屈をつけず「熱いから箸です」って
言えば済むことです。
一旦ステンレストレーに取り分けての拾骨なら、5分
もすれば触れる温度まで下がります。 拾骨の準備が
出来ましたと連絡を受け、各自荷物をまとめ拾骨室に
到着する頃には、触れる程度まで冷めてます。
焼骨は故人が残した身体の一部であり、今生に於いて
最後のお別れとなる場面です。
斎場職員により、最低でも足の部分から首までの焼骨
だと説明され、箸での拾骨を説明されますが「自分は
手でします」と言えば問題ありません。
拾骨は足の骨や大きな骨から、一人一人が手で持って
「ありがとう」「お疲れ様」と言葉にしながら骨壺に
納めたいものです。
担当者が淡々と、いかにも作業という雰囲気で焼骨を
骨壺に納める様子を見てるより、自分達の手で時には
ワイワイ、ガヤガヤ入れたほうが色んな意味で実感も
あるし温もりのある拾骨になるはずです。
最近は簡単というか、おざなりと言うか、焼骨の部位
説明を詳細にしてくれる斎場は減り、県内は殆ど無く
なりました。 無駄に暗い印象の担当者が多いですが
温かく送ってあげたいと思う我々から見ると、決して
好感の持てる対応ではありません。
しかしクレーマーのような、喧しい家族等もいるでし
ょうから無難な対応は理解できます。
他市斎場では、アウェイ感があり僕も何もしませんが、
前橋斎場で僕が立ち会えれば、焼骨説明は僕がするし、
手で拾骨すると職員さん達も分っています。
大腿骨、肋骨、指骨、膝皿、肩甲骨、尾てい骨、骨盤
背骨などの説明や、焼骨に付着してる緑色や赤色など
の説明をしながら家族は各々が手で拾骨します。
職員さんの拾骨より、家族親族は近くに集まります。
頭部の遺骨は骨壺のフタに取り分けてある斎場が多く
その部分だけは身体の拾骨が済んでから行う為、職員
に説明をお任せしますが、担当者によって補填説明を
する事もあります。
こうする事で拾骨の時間がより有意義になり、家族も
近くで温かい空気の中で、最後のお別れもできるし、
遺骨への恐怖心も取り払ってくれます。
焼骨に付着する色の代表的にものを記しておきます。
「緑色」
炎が棺を乗せる金型チタンに掛かり飛んだ色、同様に
炎がお金に掛かり飛んだ時は緑色が多いです
「赤色」
上下の顎部分なら歯医者の治療痕でしょう。
時に棺に入れた赤い花の色もあり得ます。 全体的に
ピンクにしたいなら、真っ赤な色落ちしてない木綿の
トランクスを履かせれば、焼骨全体ピンクです
良く「飲んでた薬のせい」という人もいますが、その
可能性は低いと思います。 血液の病気なら骨の内側
部分に色の変化もあり得ますが、投薬で骨に色が着く
ほどの作用があると思えません。
「骨の代わりをした金属類」
一番多いのは大腿骨骨折で使用した金属、多分チタン
だろうと思いますが、骨壺に入れる入れないは家族の
判断で自由です。 墓への納骨なら入れても良いし、
散骨なら処分して貰いましょう。
「棺に入れない物」
火葬場により多少違いはあり、金属類が駄目なのは誰
でも分るでしょうが、メガネも駄目、燃えそうで駄目
なのが本です。 本は必ず燃え残ります。
メガネは拾骨後、骨壺の上部に広げて入れましょう。
(7寸骨壺を使用する東日本の場合)
「入れたい物」
故人が供養してきた木製位牌類は、火葬場で問題なけ
れば入れてあげたいものです。 お寺に持ってくより、
供養してきた本人に持たせてあげるのが筋です。
入歯は入れても問題ないでしょう。
「入れたい物は全て聞く」
斎場毎に若干の違いがあり、入れたい物があれば全て
葬儀社担当者に見せ判断して貰いましょう。
バックでも素材と金具の使用等で違うからです。
また斎場で入れられるのは生花くらいです。
入れたい物は事前に入れた状態で搬送しましょう。
拾骨は葬式の最後の部分、最後まで温もりある葬式に
したいもの、家族の事を知らず、家族も知らない斎場
担当者に、温もりある拾骨は要請できません。
また全利用者相手のマニュアルでは当然できません。
でも我々は事前に逢い、逝去直後から何度も話をして
お互いを知ってる間柄ですから、やろうと思えば可能
なのです。 葬式最後の締めくくりとしての拾骨では
場の雰囲気を明るくしたり、温もりの有る場にする為
役者になって対応するのも大切な仕事だと思ってます。
何事も「終わり良ければ全て良し」です。
「豪華で良い葬儀」の評価など嬉しくはありませんが
「温かくて良い葬式だった」と感じて欲しいと思う。
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