癌手術前の僕は「葬儀で一番大事な時間」だと考えて
いましたが、ところが入院中は納棺師ができないため
読経、戒名授与は残し、湯かん納棺儀の無いパックを
設定すると、そちらを選択する家族のほうが多いです。
更に料金が下がったのもあるでしょうが、思っていた
ほど漢族は湯かんへの拘りが無いようです。
言われてみれば、仏教で一番檀家の多い浄土真宗では
「旅支度はしません」人は亡くなるとすぐに浄土へと
行くから旅などしないという考え方です。
他の宗派は49日の旅に出ると考え、お遍路さん同様、
白装束(経帷子 きょうかたびら)で旅支度します。
特定信仰無ければ、どちらを選択するか家族次第です。
但し、旅支度をするなら、業者でなく自分達で着せて
あげるべきだと思います。 着せ方や持たせる物等が
分らなれば納棺師を依頼し先導して貰うか、葬儀社の
人間なら誰でも分ることです。
「湯かん」
身体は病院で拭いてくれますし、遺体は衛生面で考え
ると余り触れるべきものではありません。
湯かん業者が「うちは素手で行います」と、さもさも
良い事をしてるかの如くに書いてますが、個人的には
「はぁ!? 馬鹿じゃねぇの」が本音です。
どんな細菌や、ウィルスが付着してるか分りませんし
肝炎の遺体に触れ、指先に傷があったら感染する事も
あり得ます。遺体に触れる際のゴム手袋は必須です。
素手の作業は決して褒められる行為ではありません。
湯かんは消毒綿で手足を拭けば充分でしょう。
これなら納棺後でも出来るし、納棺師も要りません。
白装束を着せるなら、納棺師か担当者に聞きながらで
良いし、棺に入れて持たせても良いし、故人が着てる
服や浴衣でも良いでしょう。
ところで49日の旅と言いますが、何処に行き、なんで
49日なの!?と思いませんか?
僕が納棺師する際はこんな話しをします。
・人は死ぬと7日毎に閻魔大王などに裁かれる
・その際に守ってくれるのが十三仏である
・初七日(不動明王)から、三十三回忌(虚空蔵菩薩)
不動明王 釈迦如来 文殊菩薩 普賢菩薩 地蔵菩薩
弥勒菩薩 薬師如来 観世音菩薩 勢至菩薩
阿弥陀如来 阿閃如来 大日如来 虚空蔵菩薩
・あの世には六道(六つの世界)がある
「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人間」「天上」
この六つの世界あっちに行ったり、こっちに行ったり
するのが49日の旅だと思えば良いでしょう。
早い人は35日で仏の仲間入りをし、遅い人でも49日
には仏の仲間入りし、49日は忌明けと呼ばれる。
35日と49日は一対と考えられます。
他に「一膳飯」「枕団子」「守り刀」「塔婆」さらに
群馬では宮川と呼ばれる「神棚封じ」「供養とは」等
時間の有る無しで色んな話しをします。
団塊世代と僕の年代では信仰感覚が違います。
多分、我々の年代は無信仰のほうが多いのでしょう。
湯かんは宗教儀式ですから、する、しないは家族の
感覚次第どちらでも構わないと思います。
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