13年前の9月、八王子裁判所から届いた。
「父親逝去で残した遺言書開封の立ち合い」
この一通の封書から始まった葬儀支援の道、過去に一度も
考えた事さえなく、当時は絶対に歩みたくない道と、断言
してたほど忌み嫌ってきた道でした。
中学3年での家業倒産も、何の前振りもなく、倒産前夜に
父親が珍しく僕の部屋に顔を出して言った。
「久しぶりだな元気でやってるか」と笑顔・・・
「人生には色んな事があるけど、お前は男なんだから」
「どんな事があっても前向きに生きるんだよ」
突然どうしたんだ!? と思った翌日の午前零時で倒産。
父親は蒸発前に逢いに来たのが分った。
中学3年生までの写真は1枚も無いほどバタバタした。
人生で大きな転機はいつも突然やってくる。
今までと全く違う予想外の大きな流れに飲み込まれる。
3歳上の姉と、3歳下の妹がいて、姉は46歳の時に癌で
亡くなりましたが妹は健在です。
倒産の時、中学3年と小学6年の違いはありますが、多分
同じような経験をしたはずです。
しかし37年の時を経て、逝去の連絡が来た父親に対する
思いは全く違うものでした。
蒸発後、女性と知り合って暮らし、国内外への旅行もして
たと聞いた妹は、家族を捨てた父親と感じたのでしょう。
結構な反感を持ったようで、その気持ちも分ります。
でも過去の罪意識を一人で背負い40年近く生きての逝去
より遥かに良いし、女性と知り合ったのも蒸発後暫く時を
経てからの事でしょう。 一人だけで無く最後を看取って
くれた女性には感謝でしたから、後日逢いに行ったのです。
それに事業する限り、倒産の可能性はいつでもあります。
頑張っても駄目な時はあるはずだし、父親も最後の最後迄
踏ん張った末、やむなくの蒸発だったと思えばいい。
まぁ蒸発については、弱い人だと思うけど誰だって欠点は
あるし、その点は反面教師にすればいい。
同じように育った兄妹でも、37年の時を経た結果に対し
全く違う思いを持つ・・・ 妹がどんな人生を生きてたか
知りませんが、彼女にとっては人並み以上に贅沢のできた
家業があったら、、家族を放って自分だけ結構いい生活を
してきたと思うと、父親が許せなかったのでしょう。
母親と一緒に過ごした彼女の人生は分りませんが、妹の中
には「過去の栄光への執着」が話の中に感じられます。
母親の影響を強く受けたようにも感じます。
倒産後祖父母と過ごした僕は、いつ頃からか分りませんが
「僕にとって、倒産は必要悪だった」と思ったのです。
あのままだったら間違いなく「馬鹿息子」だったろう。
まともな人生を生きたかさえ分らない・・・
倒産までは、同じ経験をした姉弟なのに父親に対し真逆の
発想をする現実を知り不思議でした。
妹が自分の人生をどう思ってるか分りませんが、できれば
幸せを感じながら生きて欲しいと思います。
彼女は離婚も経験していますが、元旦那に対し憎悪も含め
執着を持たず、前を向いて幸せと思う人生にして欲しい。
世の中には同じような経験をしても「幸福」への道を進む
きっかけにする人もいれば「負の執着」で自分を「不幸」
だと思い込む人もいる。
きっと人生の「幸」「不幸」は考え方次第なんでしょう。
誰でも不幸より幸福なほうが良いはずです。
精神的に余裕のある時、自分の人生で幸せな場面などを
ゆったり思い出し、明るい未来を想像してみる。
そんな時間も時々は必要かもしれません。
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