昨日は火葬時間などの都合で早朝からだった事と、バタバタが数日続いたことも
重なってか、お昼に終了した葬儀後の後片付けが済むとグッタリ、拾骨の直前に
なると自宅逝去の搬送依頼・・・流れは非常にスムースですが疲れ切ってます。
拾骨、挨拶と済ませると、すぐに戻って寝台車に乗り換えて、斎場待合室を掃除
していた千明を乗せ指定先の自宅に向かいます。

自宅で搬送準備を整えると暫し家族と話す。
家族の状況を考慮し、自宅で死亡届出書を記入して貰い、あとは我々が全て行い
火葬の日時に斎場に来て貰えば大丈夫と引き受けて戻ってきました。

申請者の居住地が遠方だったり、申請者の年齢や身体的な問題だったり、信仰も
あったりで、あんしん館に来て貰わずに対応するケースも増えています。

いつも言うように、あんしんサポートは一般の葬儀屋ではありません。
残る家族の生活が最優先ですから、その言動は逝去時でも同じで、建前や慣習で
動くことはありません。 残る家族の今・・・最善と思える対応ですから事前の
相談が大事な家族もあるし、その時の心身の状態で変更する事もあります。

安置が済んで、昼飯に行くと千明が珍しくやっと食べてる感じです。
帰りの車内で電話をしようと相手先の番号を探してる間に助手席で寝てました。
相当疲れているのでしょう。 

事務所に戻ると椅子に座ったまま、ほんの少し仮眠してたようです。
早めに夕飯を食べて休もうと思った午後6時過ぎ、病院逝去の搬送依頼です。

依頼は以前も葬儀している会員さんでしたが、故人の奥さんも癌だと聞かされて
いた為、あんしん館に搬送すると、喪主である奥さんに聞きます。
奥さん自身の状態を聞いたあとで更に聞きます。

「ぶっちゃけで聞くけど、財布に余裕はあるの!?」
「ううん 全くありません」

想定通りの答えですから、葬儀後の生活について貰える年金額も含めて話します。
その上で僕が勧める葬儀を伝えると、お坊さんに拝んで貰わなきゃならないもの
だと思ったようで、電話したけど繋がらなかったという。 そこで・・・

「まず読経なんてどっちでもいい。 読経したから何がどうって事は絶対ない」
「ハッキリ言うけど、今の生活状況で坊さん頼むなら俺は葬儀をしない」
「葬儀屋はいくらでもあるから費用面で問題ないなら、何処でも頼むといい」
「どう考えても布施を払って生活に支障が無いとは思えない」
「葬儀もあるし、遺骨の問題もあるから、火葬だけして遺骨は手元供養するか」
「ぱっく60で遺骨の処理、供養までするかのどちらか以外は勧めない」
「あとは自分達で判断すればいい」

と故人の奥さんと故人の妹二人に対して伝えます。
決めるのは家族だし、葬儀後がどんな生活になろうと家族の勝手ですからね。
ただ僕は家族の生活に支障が出るのが明らかな葬儀を引き受ける気はありません。

パック60で決まりましたが、兄弟が管理してる両親の墓があると聞き、ならば
粉骨を少し渡すから、墓に撒いておいでと伝えました。

過去に娘達は僕の言ってる通りだと思っても、親戚からの口撃に勝てないと言う
家族が1軒だけあり、一般葬儀社に行って貰いました。 幸いにも搬送前でした
から対親戚には全く支障は無かったでしょう。

家族の立場と、家族の想いを考えると微妙ですが「蟻の穴から堤も崩れる」です
ひとつのタガを外せば、もう少し、もう少しとなるのが人の感覚です。

昨日搬送した2件とも、うちで無ければ難しい葬儀です。
葬儀の実態や現実や、霊感商法まがいの現実を知らない無知な素人さん達ですが
冷静な判断ができる段階で助けを求めて来てくれた人達です。
しかし現実になると、冷静さを欠いたり、周囲の雑音に惑わされる家族も多い。
家族の生活を守るためには、時に家族を叱咤することも決して珍しくない。

家族を叱咤してまで無理をさせないなど、多分、日本で唯一無二の存在だろうと
思うけど、それで助かった人達は沢山いるのが事実だし、そんな存在はどこにも
無いからこそ、そんな対応が必要な家族もいるわけです。

それと僕の主張より、親戚の意見や、無理しても葬儀したいなら、葬儀社なんて
いくらでもあるから全く問題は無いんです。

この辺りが自己満足でしてると主張する部分でもあるのですが、主流が正しい訳
でもなく、主流には乗れない状況の家族はいくらでもいます。

僕のしている事は間違いなくマイナーだし、支流ですが、実際に葬儀した家族の
評価なら、国内でも最高位に位置するんじゃないかな。

最近は喪主から自分達の時も、お願いしたいから是非ともと後継者の話しが出る
ことも増えてますが、将来や未来とは「現在」の上に築かれるものです。
いくら未来を見ても、現在である礎がしっかりしてなければ、未来など語っても
意味はありませんし、妄想でしかなくドンキホーテです。



 

お化けが出る前からビクビクする必要はありません。
布石は打ちますが、お化けが出たら驚いたり、対処すれば良いんですが僕の考え
方だし、仮に後継者がいても会員さんが温かく受け入れてくれるか分りません。
間違いなく僕との比較をするからです。 その評価が低かったら後継させる事が
後継者の人生を狂わせる事もあり得る訳で、会員の為に後継者を犠牲にする気は
毛頭ありません。 あんしんサポートの存在が消えたら諦めて貰うだけです。

今は自分達ができる範囲で、一軒、一軒の家族の生活が守れる葬儀を企画、立案、
施行することだけを考えています。 後継者問題は子供と一緒です。
どんなに欲しくても子供を授からない人もいれば、欲しいだけ授かる人もいます。

あんしんサポートが僕の代で終わるか、死後も長く存続するかは天意でしょう。
父親逝去の一報を機に12年間、コツコツと積み上げての今です。
会員さんが自分達の時まで存続して欲しいと言ってくれるだけで、大したもんだ
というのが本音です。 部外者からは色んな評価はあるでしょうが、実際に葬儀
した家族が我々もと言ってくれるだけで充分です。

幸いなことに65歳を目前にした今でも動き回れますし、依頼する家族の実態を
正確に把握できるのは、親戚友人より我々のような気がしますから、今まで同様、
一軒、一軒の実情を踏まえた上で残る家族の生活が守れる葬儀関連の支援を続け
ることだけに邁進し続けようと思います。

 

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