創業から11年「全く先の読めない仕事」これだけは全く
変わることなく、葬儀は計算すらできません。

うちは医師から、あと一週間とか、数日の余命宣告をされ
たら連絡してくる会員さんも多い、それでも全く読めない
のが葬儀を仕事にする最大の課題です。

また葬儀依頼は何故か集中する傾向にあります。
バタバタと依頼が入る時期と、何日も静かな時期があって
この感じは設立数年後から変わっていません。

月別かと言えば、そうでもない。
今年の3月は暇ですが、やたら忙しい年もあったりします。
ただ今年の3月は入会者が多く、墓閉じ、散骨も多い。

まぁ葬儀も他も同時にバタバタしたら対応しきれない訳で
そう考えればラッキーともいえます。

葬儀の形態も大きく変化しています。
8年前までは自宅の葬儀も、そこそこありましたが現在は
特殊な場合を除けば皆無に等しいし、一般葬は減り、家族
葬は増え、予想以上に増えてるのが直葬です。
安置はもっと極端で、自宅安置は100件に1件程度です。

また葬儀と遺骨に対する考え方も大きく変化しています。

昨年11月の癌手術から一気に増えた葬儀があります。
8日間の入院中に行った4件の葬儀、うち2件は家族葬で
したが、僕がいないわけで、納棺師不在ですから苦肉の策
として作ったのが《家族葬1・150.000円》でした。
(現在家族葬パックは2種類あります)

1)指定の病院施設等までお迎え
2)あんしん館まで搬送、式場祭壇前にて納棺安置
3)48時間までの安置とドライアイス含む
4)末期の水をとり、線香を供えてもらう
5)死亡診断書記入と捺印(当方で死亡届出)
6)葬儀までの期間、10時~19時は自由に逢えます
7)当方紹介住職による枕経15分~20分・居士大姉戒名付
8)生花や好きな物を入れてのお別れの儀
9)斎場まで霊柩車搬送(火葬中は無料休憩所で待機)
10)7寸骨壺に拾骨し、ご挨拶して葬儀終了

この葬儀は予想外に好評で、少し驚いたのが本音です。
葬儀に関する僕の感覚は、少しずれてたようです。

葬儀で唯一家族が手を出せるのは、湯かん納棺儀ですから
家族にとって一番大事な時間だと思ってきました。
しかし現実は少し違ってたようです。

家族葬といっても、実際は故人の兄弟姉妹くらいは列席を
されるほうが多く、家族は叔父叔母から文句を言われない
程度の体裁が一番大事なようです。

家族葬1パックの読経は枕経ですから、15分ほどですが
一般の人達にとってはどんな読経でも分らないが本音です。
また長い読経を嫌がる家族も多く、時間的にも良いようで、
更に居士大姉戒名が授与されますから、葬儀についてある
程度知識のある人なら、40万円~80万円は掛ってると
思うのか、何か言う親戚もいないようです。

僕は故人との別れが一番大事であり、だからこそ湯かんと
納棺の時間は大切にと考えてきましたが、家族にとっては
親戚から何か言われない事が大事なようです。

また最近は病院や施設の段階で、対象者との別れは受入れ
てある家族も増えています。 その点は、正解だと思う。

あんしん館を設置した6年前は30名でも足らない葬儀が
多かったですが、今では5名、10名の葬儀が増えており
式場一杯の人数葬儀は極端に減っています。

それと、香典無用の葬儀が間違いなく増えています。
故人の兄弟姉妹が列席されますが、香典を出す素振りすら
なく、事前に家族から香典無用と伝えられてるようです。
当然、香典返礼品もなく、清めの食事もしない家族が増え
拾骨が済むと斎場でご挨拶して葬儀終了も多いです。

中には葬儀後に食事をされる家族もいますが、そのほうが
安くて、温かくて、旨いものが食えるのも確かです。

家族葬の言葉ができた当初は、名前だけで少し小さな一般
葬儀としか思えませんでしたが、最近は本当の家族葬へと
歩み始めているようです。



香典収入を当てにする葬儀でなく、自分達が無理をせずに
できる葬儀をし、そこに呼びたい人だけを呼んでする葬儀、
個人的には本来あるべき葬儀の姿だと思います。

問題は葬儀社側の対応でしょう。
いつまでも、儲け中心の押し付け葬儀を勧めるか、或いは
残る家族の生活と体裁が守れる葬儀へと進むか、葬儀社も
岐路にさし掛かる時期にきたようです。

今日、自宅塗装をお願いする方と話してたら全国に広げて
欲しい事だと言われました。

しかし低料金の葬儀をすれば当然利益も少ないです。
利益が無ければ経営は成り立ちません。
この点をクリア出来なければ、折角家族目線で葬儀施行を
しようと思っても、存続はできないでしょう。

僕と同じような発想をされる葬儀社では最大の難関です。
なぜ、あんしんサポートが存続してこられたか・・・
経営なら僕よりずっと長けてるもおられますし、自分一人

だけで考えても解決しない問題もあるでしょう。

そんな方々で一堂に会し、じっくり話してみたいものです。


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