一般的に長寿は良しとされ、喜ばれ称賛される事が多い
だろうと思いますが、我々のような仕事をしているから
だろうが、本当にそうだろうかと考えさせられる場面に
何度も出くわしている。

年老いて独居生活になり、少額年金だけで暮らす老人は
人生を楽しめと言われても、先立つものが無いのだから
実際は難しく、外出さえも厳しい現実だろうと思う。

内閣府の調査では、2030年の独居老人予測は730万人に
まで達し、女性485万人、男性245万人としている。

また老夫婦だけの所帯は2015年現在、57%と高くなり
同居は39%でしかない。

親子で一緒に住め、三世代が同居しろと言ってみた所で
何の解決にもならないでしょう。

何事にも表があれば、裏があるように、光があれば当然
陰の部分もあるわけで、医学の進歩や施設の充実で平均
寿命は上昇していますが、自分の意思で生きたいと思い
頑張って生きようとしている人は別として、生かされて
いるとしか思えない人や、死ねないから生きている人に
とって厳しい世の中になっている気がする。

平均寿命が上がったと、メディアは慶事のように言うが
本当にそうだろうか・・・人の死や死後に接する機会が
多いだけに本人、家族、死後費用を出す人達の裏側とも
言える現実を日々見て、金銭的な相談も日々受けている
僕には疑問が湧いてくる。

あんしんサポートホームページ動画の中で、高橋さんも
語っているが・・・

『誰にも迷惑を掛けず、何も残さず逝きたい』

現実は難しいけど、この感覚はよーく分かる。
或いは、あとに残る家族の生活が心配な対象者もいる。

相談に来る方の中には、家族の死を親戚や近所に知られ
たくないとくちにする人は意外に多い。

これを分析すると・・・
》普段から行き来の無い親戚は葬儀に来て欲しくない
》今は近所付き合いも希薄で葬儀に来て欲しくない
》家族だけで送りたい
》財布事情に余裕が無い
・・・重複もあるでしょうが、こんなところでしょう。

両親揃って施設に入っているとか、長年施設でお世話に
なってる家族の財布事情は深刻で当然と思えます。

1人月額15万円の施設入居費なら、年間180万円です。
更に医療費、被服費、お小遣い等々が必要です。
10年間で2.500万円が最低でも必要です。
(特養8万円なら1人1.600万円ほどでしょうか・・・)

両親ならこの倍額が必要ですが、年金だけで足りる人の
ほうが少ないですから、家族が負担することになる。

不謹慎な言い方ではありますが、逝去後の家族の本音が
『ホッとした』でも不思議ではありません。

当人も生きる事に喜びを感じるわけでなく、家族の生活
にも支障が生じる現実なのに、綺麗事と、建前論だけで
長寿を美化するのが本当に良いことなのだろうか・・・

また死後の葬儀に於いても、豪華で高額な葬儀を優しさ
とか、親孝行とする考え方も疑問だし、それを先導する
葬儀社や僧侶にも大きな抵抗感がある。

そんな無責任な霊感商法を当然のように語り、さもさも
それが常識かのように語る人達にも抵抗感がある。
自分の知る世界だけが全てでなく、建前で話す言葉だけ
でなく、その裏には本音がある人達だって沢山います。

いつもの事ですが、今回の話題も反論する人も沢山いる
だろうけど、同感する人達も同じように沢山いる。
僕は全ての人を対象としているのではない。



他人事の世間や親戚や隣保がどう言おうと、僕は家族の
本音に正面から向き合った活動を貫いてきたつもりだし、
これからも今の姿勢を貫き続けることになるだろう。


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