設立から10年にして、ようやく設立当初から想定してきた
対象者に限定される日が来ました。
正確には設立当初でなく、設立から3年後の3月1日付で
5万円火葬支援パックの施行が始まった時からです。
流れで何となく葬儀の世界に足を踏み入れた当初、全くの
ど素人でしたから今から思えば、葬儀のその字も分らない
という表現がピッタリだった事でしょう。
されど家族との相談や決め事は、葬儀社に任せることなく
自分でしてきたのが、急速に知識をつけた最大要因である
のは間違いありませんが、素人が家族と打合せをした事が
今で以って千明には不思議なようです。
まずは現行葬儀のイロハを覚えることから始まりました。
ところが納棺師を自身で行える頃には、現行葬儀への疑問
だらけで理解も納得もできない事ばかりになった。
葬儀業界の常識は、一般社会の非常識に近いものが多い事
宗教者の話しの多くは霊感商法にしか思えない現実、更に
金銭感覚が一般とかけ離れている事に始まり、弱者と呼ば
れる人達を始め、金銭的余裕の無い人達にとっては選択肢
さえ無いのが現実であると分りました。
この頃から、好きでも無い葬儀の仕事をするには、自分が
納得できる料金、葬儀内容を創り出して誰もが死後費用の
心配をせずに済む世の中を目指す事で、自己満足もできる
だろうし、上手く行けば生き甲斐にも繋がると考えました。
しかし10年前は、我々の知名度も能力も力量も無く、業界
では変な奴、一般からは胡散臭いと思われました。
大手が出来ないのに個人ができるはずが無いとも言われた。
今思えば、大手だから出来ないと思わないのが素人ですね。
また当初は自力で葬儀施行が出来ず、地域毎に既存の葬儀
社に全てお任せする形でしたから、我々が目指すものとは
ほど遠いものでしたが、だからこそ、葬儀社の対応を家族
目線で見られたのは大きな成果だったと感じます。
まずは利用者を増やし、会員を増やし、実績を積み重ねて
行き、ボーダーラインを超えられたら我々の存在は一気に
知られるようになるはずと考えました。
設立から3年後、5万円火葬支援パックが完成すると予想
以上で、僕の講演会を都内で企画してくれた千葉県二市の
市会議員さんがいたり、新聞で何度も取材として取り上げ
てくれたり、NHKで全国放送もしてくれました。
これで一気に活動の輪が広がると思ったのは甘かった。
何十人もの人達が全国から研修に来られましたが、誰一人
として立ち上がれませんでした。
その理由は明白で料金設定でした。
5万円では利益が全く出ないと皆さんに言われました。
その通り、当時の我々も利益はでません。
ただ机上の空論とも言えますが、一定数以上の施行依頼が
入れば食える計算になり勝算はありました。
その旨を伝えましたが、誰も先には進みませんでした。
結局、我々だけがいつか食えるはず・・・
誰もが死後費用の心配をすることの無い世の中を目指して
走り続け、我々の活動が本当に必要なら、利用者は自然に
増え続けるはずで増えなかった時は、我々の考え方を始め
事業内容そのものが間違っているのだろうと思った。
その時は廃業すれば良いだけの事と考えていました。
つづく
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