サラリーマン役員時代も含め34年間経営に携わって
きましたが、最も先の読めない仕事が葬儀です。

あんしんサポートが最初に目指したのは、国保から
支給される葬祭費5万円だけで可能な直葬でした。
これが第一目標でもありました。

もうひとつ、葬儀の仕事は千明の食い扶持確保だけ
出来れば、すぐに手を引くつもりだった事もあって
一切の投資をせず利益から全てを揃えてきました。

投資をすれば回収する必要があります。
回収できるだけの利益が欲しくなります。
結果5万円火葬支援パックの実現が難しくなる。

設立当初、千明が葬儀の仕事で食っていくには極々
普通の葬儀屋では難しいだろうし、葬儀屋がしたい
訳でもなく、現行の葬儀は疑問だらけだったことも
あって、葬儀支援を前面に出せば、他人の役に立ち
ながら一人くらいは食っていけるはずと考えました。

3年後、5万円葬儀支援パックが完成したころには
業界全体が想像以上にどす黒いと分り、千明よりも
僕のほうが熱くなっていました。

僕は人から褒められるような善人ではありません。
極々普通の凡人と呼ばれる人間でしかありません。
しかし僕の知る商売の世界とは、かけ離れた業界で
僕の最も嫌いな霊感商法が当たり前に横行している
世界であった事が闘争心に火をつけたように思う。

今でも葬儀を特別扱いし、綺麗事を言う人達は沢山
いますが、当事者である家族の身になってみろ!
って言いたいのが本音です。

まぁ商売的には特別な事として、霊感商法で家族を

くすぐるほうが儲け易いわな・・


でも人の死は自然の摂理であって、誰もが通る道で

特別な道ではないのです。



どんなに綺麗事を言っても、対象者の医療費、施設
利用費、更に家族は対象者の介護で働くことさえも
できない現実の中、助けてくれる人なんていません。

親戚は家族を責めるだけ、親方日の丸の行政職員は
上から目線で現実など分らず冷たい反応が現実です。

綺麗事や死者がどうの、、葬儀がどうのとほざいて
いる人達は、現実を知らないから言えるに過ぎない。
無責任な発言だとしか感じられない事が多過ぎる。
ようは全て他人事なんですよ。

ところが葬儀支援の御旗を上げたせいか、本音相談
できる場所の無い人達が押し寄せてきました。
切実な話しばかりで、葬儀内容の話しはほんの一部、
話す内容の殆どは、家族の生活を守る為の話題です。

でも話しが進むと相談者の顔が明るくなって来る。
初めは出なかった笑顔もでるし、涙を流す人も多い。

これからは来館前より気が楽に過ごせる日々になる。
そんな経験を何百回となくしてきた。
そんな人達が減る事なく、年々増えている・・・

内容は普通の葬儀社以上なのに圧倒的低料金であり、
情ない本音が言えて、最後の集金まで姿勢は変らず、
自分達の財布事情を一番に考えて葬儀をしてくれて、
葬儀後の供養や遺骨供養まで全てお願いできる。

今となっては続けたいより、続けざるを得ないって
のが本当のところだと思う。

本音を言えば、今回の流れでも先行投資すべき事業
ではないと思っている。投資は必ず料金に跳ね返る。

されど会員さん達の安堵と満足した顔が頭をよぎる。
『つまんねー事に頭突っ込んじゃったなぁ・・・』
『俺が最も苦手というか弱い部分だよなぁ・・・』
『結局、ろくに無い私財を突っ込むしかねぇかな』
『元は取れない覚悟すりゃいいだけのことか・・・』

今現在、資金を借り入れての移転は考えていません。
借金すれば返済義務が生じるわけで、それが料金に
跳ね返る結果と成り得るからです。

そんな結果になったら、何の為の移転か分らない。
これもひとつの流れだと思う。


にほんブログ村 その他生活ブログ 葬儀・法事(個人)へ
にほんブログ村
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります