昨日の予約で、本日午前10時事前相談の母娘が来館した。
対象者は自宅で寝ている父親であり、旦那でもあります。

対象者の状態を聞くと今日明日だろうと言う。
うちのパンフレットは持っているようで、どの内容で考え
ているか聞くと『家族葬199.000円』とのことです。
一旦、家族葬パックの内容を説明します。

ここからが事前相談の本番です。

》葬儀に参加される方々と人数を聞きます。
・娘さんの従妹と家族3人の最高で10人だと言う

》従妹達と日頃の付き合い状況を確認
・普段は全く行き来はなく、葬儀だけの付き合いだと言う

》読経、戒名は必要かどうかを確認する
・どっちでも良いけど、あったほうが・・・程度らしい

》墓の有無を聞くと墓はないと言う

》お母さんとお父さんの年金を確認する
・国民年金のみだと言う

ここから暫くは雑談をしながら家族の財布事情と感覚確認、
この段階まで来ると、家族個々の本音を各自が語り始めて、
入会してあった大手葬儀社での事前相談の話しが出てきた。

話しをしていると、うちとは全く違うと大手を否定します。
打ち解けたのを確認すると、僕の本音を話します。

※ お勧めは『ぱっく60』100.000円+税
※ 家族3人で送れば良いのでは? 内容も含め勧める
※ 家族だけなら食事も弁当も不要と伝える
※ お母さん黒服の有無を確認(母子ともに持ってない)
※ 黒服無用、それぽっい服装で充分と伝える
※ 火葬は朝一を予約するから会う人も少ない事を伝える
※ この段階で初めに安置する式場祭壇をお見せします
※ 読経と戒名が必要かを改めて確認します
※ 必要なら枕経+戒名+式場使用料で+55.400円と伝える
※ 家族葬より44.000円安くなるのがひとつ
※ 家族の中で湯かんは重要ではないと考えていると判断
※ 家族3人で相談し、必要なら宗教者をプラスと伝える
※ 新盆、各年忌法要も会員は可能である旨を伝える
※ 年金の額と貰える期間を伝える
※ 国保葬祭費の手続きを伝える
※ 法務局での自宅の名義変更の流れと方法を伝える
※ 遺族年金の確認方法を伝える
※ 自宅逝去時、死亡診断して貰えるかを再度確認する事
※ 死亡後、医師の到着、我々の到着まで行う事の指示
※ 棺に入れたい物、最後に着せる服の準備を伝える
※ 戒名授与の確立が高い為、対象者の人となりを聞く

この頃になると、母子ともに安堵の笑顔で父親の事は勿論、
入会している葬儀社の悪口など、普段の自分達の素のまま
での話しをしています。

残る母親が施設に入る事もあれば、入院することもあると
理解し、葬儀は無理をせず、今できることをしておくこと、
数日あるか分らない余命なら、最後まで優しく接する事の
ほうが大事だと伝え、2人して納得して帰っていきました。

事前相談で話す内容は、個々の家族によって異なりますが、
基本的な流れは似たようなものです。

大事なのは家族が本音で話しができる状態になっている事、
建前でものを言ってるうちは、核心の話しはしません。

これは、うちのケースであり、今回のケースの流れですが、
どんな葬儀社を利用しても基本は変わらないはずです。
僕が話す内容の中から、自分でも確認しておきたいことが
あればチェックしておき、上記に書いた以外で確認したい
ことがあれば、それもチェックしておくと良いでしょう。

いががでしょう。
こんな内容の話しを、逝去直後に冷静にできるでしょうか、
家族だけで行うか、親戚に声を掛けるかも事前だからこそ
家族で話し合える部分だろうと思う。

僕が事前相談が大事だと言う理由が理解、納得して頂けた
でしょうか、だとすれば葬儀社が事前相談で詳しく話しを
しない理由も分るでしょう。

冷静さを欠いた逝去時のほうが、家族も舞い上がってるし、
口だけ出す親戚の存在もあり得ますから、より高額葬儀に
もって行き易いわけです。



エンディングノートを僕がそれほど勧めないのは、現行は
こうして欲しい、ああして欲しいが主流だからです。
本当に必要なのは対象者の希望でなく、うちの家族が行う
葬儀の費用面ではこのくらい、内容はこんな感じ、呼ぶと
したら誰と誰・・・といった事のほうが大事です。
葬儀であっても・・・ 葬儀だからこそかな・・・
冷静に判断できる事前準備は絶対に大事です。


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