桜の花も散り、いよいよ春本番の季節ですね。
花粉さえ飛んでなければ一年で一番良い季節なのに、、
春になると毎年思い出すのが4月8日、仏教の開祖で
ある釈迦(仏陀)の生誕日と言われる日で、花まつり
とも呼ばれますね。
今から7年前の4月8日、初めから一度だけと決めて
参加費1万円で合同散骨を開催した日です。
あんしん館に集合、バス1台をチャーターして散骨場
まで向かい、各々が好きな場所に散骨しました。
粉骨、バス代まで全て込々の1万円でした。
もちろん採算など取れません。
1万円合同散骨に至ったのは、こんな流れでした。
10年前設立当初、少子化で墓守不在、年金は下がり
老人の生活は苦しくなり、墓を持たない時代に入れば、
散骨が増えるのは必然と思っていました。
8年前に散骨場を取得し、初年度はたった2人の散骨
でしたが、その年の10月高崎市のお婆ちゃんからの
電話で、息子さんの遺骨を散骨して欲しいと言う。
移動手段の無いお婆ちゃんでしたから、我々が自宅に
行っての相談でした。
歩くのも乳母車のような物を押して歩く人でしたから
部屋の片づけもままならず、何処に座って良いかさえ
分らない部屋で話しをしました。
当時の料金は8万円+税でした。
年金が出たら払いますと言うお婆ちゃん・・・
少しでも安く出来ないかと千明に確認すると、粉骨を
業者依頼せず、我々の人件費を抜けば5万円で可能と
分り、粉骨機も持ってないのに5万円で良いと約束を
して帰りました。 お婆ちゃんは喜んでくれました。
ところが戻ってからも、お婆ちゃんにとって5万円は
大きい出費だと思うと頭から離れません。
暫し考えて千明に言います。
「俺さぁ、あの、お婆ちゃんから5万円貰えないよ」
「1度だけ1万円で合同散骨してみない?」
「お婆ちゃんも1万円ですむしさ」
「もう決めているんでしょ?」
「あはっ、、まぁね」
って事で翌年の4月8日、我々の他3名の方に手伝い
頂き散骨したのを思い出します。
そうそう、散骨も無事済んで参会者は全員明るい顔で
解散、帰りの車中で千明が小声で言います。
「あの、参加できず委託された粉骨ですけど」
「車内に忘れて撒かず、持ち帰ってきちゃったです」
お手伝い頂いた方と食事を済ませると、2人で慌てて
散骨場に戻りましたが、真っ暗・・・
懐中電灯頼りに散骨場まで行き真っ暗散骨でした。
お婆ちゃんはバスで行き、散骨場までは歩けずバスの
中で待って故人のお兄さん夫婦が散骨しました。
散骨が済んだ報告を受けた、お婆ちゃんは安堵笑顔で
何度もお礼を言ってくれました。
そのお婆ちゃんも3年前の3月22日亡くなりました。
息子さんと同じ所へ散骨、そう言えば合同散骨に参加
してくれた方では4名が亡くなっています。
今が数年後には思い出になります。
出来得るなら、、良き思い出を積み上げたいですね。
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