今朝は午前朝一火葬があり、午前7時30分過ぎ日課の
シャワーを浴びていると、突然風呂場のドアが開いた。
大きな音で呼び出し音が鳴ってる携帯を差し出す奥さん
から、受け取ると千明いつもの声で「搬送依頼です」
本日14日当初の予定は、朝一の火葬で拾骨が済んだら、
5名の散骨とイチゴ狩りをしてくるはずでした。
電話が入った時点で全て変更になりました。
午前9時20分、前橋斎場に棺を搬入、火葬炉に入ると
すぐに指定された病院へと搬送に向かい、あんしん館の
式場に安置、家族を待ち『末期の水』と『線香』を供え
終えると最終の打合せです。
先月入会に来られた親子で、僕も同席していた事もあり
『ぱっく60』で全散骨希望と書かれた書類に目を通す。
基本の流れに変更はありませんが、病床のご主人が最後、
自宅に帰りたいと言っていたと言う。
「遺骨を少し自宅に置いてあげたいのですが・・・」
そう話す奥さんに伝えます。
「なら遺骨を少し専用容器に入れて渡すから」
「ファンシーショップで可愛い容器でも買ってきて」
「遺骨を入れて居間でテレビの見える場所に」
「置いてあげれば良いんじゃない」
「火葬証明書も入れておくから後々の問題もないよ」
「奥さんの気が向いた時と命日は旦那の食事と酒を」
「遺骨と一緒にテーブルに置いてあければ・・・」
「はぃ、分りました。 そうします」
すると横で聞いてた息子さんが言います。
「代表の所へ来た時は何も言って無かったんですけど」
「最近になって情が湧いたのか花を入れてあげようか」
「とか、お経して貰ったほうが良いかね」
「なんて言い出したんですよ。無信仰なんですけどね」
「ほぉ、ところで旦那は酒飲んだ?」
「はぃ、お酒は大好きでした」
「なら、タバコは吸ってた?」
「開けたばかりのタバコが家にあります」
「じゃあ、花は好きだったの?」
「別にそれほど好きじゃ無かったかな」
「でも花桃の盆栽とか好きでした」
「桃なら、そろそろ咲くんじゃない?」
「はぃ、蕾が膨らんでます」
「ならさ生花も読経も要らないんじゃないかな」
「花桃の枝を切って入れてあげたら良いよ」
「あと200mlの紙パックの酒とタバコだろうな」
「そのほうが旦那さんも喜ぶんじゃない?」
「絶対そうですね、そうします」
棺の中に入れられる物は、火葬場によって色々ですが、
今回の物だけでなく、好きな食べ物も入れられます。
花が好きなら生花も良いでしょうが、どうせ入れてあげ
るなら、花より故人の好きな食べ物のほうが喜びそうな
人って結構いるんじゃないかな。
『花より団子』は生死に関係なく一緒・・・
って言うかさ、家族もそのほうが納得するでしょ。
葬儀だから、こうすべき・・・なんて無いんですよ。
生きてる人間と同じに扱ってあげる事が、残る家族には
一番の優しさじゃないかなぁ・・・
葬儀で一番大事なのは、残る家族の生活を守る事ですが、
同時に送る家族の心が癒される事・・・だとも思う。
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