今日の前橋は朝からどしゃぶり、もう何日雨が続いている
のか分かりませんが、今晩から明日の朝にかけてが台風の
影響を強く受ける予報のようです。
何事もなく日本を通過してくれると良いのですが・・・

今年の10月は初めての経験をしながら22日まで来てる。
こんな事ってあるんだなぁって感じです。
1日の搬送から始まって、今月は夜中の搬送もなく、葬儀
期間は2日間から、長くても3日間ですが今月最初の葬儀
から、終わるとその日のうちに次の依頼が入るという流れ
のまま22日まで来ました。

昨日も朝一番で火葬に入ると、拾骨まで待たず斎場担当者
にお願いし、家族にもその旨を伝え前橋から50分ほどの
市まで行ってきました。
予定が全て完了し、事務所に戻ったのは午後2時を過ぎた
頃でした。 戻ってひと段落した頃、さぁて今日の葬儀も
終わったから搬送の電話が来るかぁ!? と冗談で笑って
いると午後2時45分搬送依頼の電話です。
思わず顔を見合わせました。

10年目にして初めての経験です。
まぁ、最後まで続く事は無いでしょうが不思議です。
待ってたの!? って言いたくなります。
今回の経験で分かったのは、終わると入ってくる流れって
心身ともに非常に楽です。
3件重なると何処かで忙しい時間があるし、4件重なると
結構焦る時間があるものですが、それが全くありません。
いつも、こんな状態なら楽ですが、そうはいかんよね。

それと、今月搬送した故人のうち2名の処置が下手でした。
処置とは逝去後、鼻や口など開口部を塞ぐ処置です。
我々が葬儀を始めた頃は、脱脂綿を鼻やくちに詰めて塞ぐ
病院のほうが多かったですが、今の主流はゲル状のもので
体液や胃の内容物の逆流を防いでいます。
ところが、しっかり塞いでないと口から逆流してきます。

1件は胃ろうした故人でしたから、流動食が逆流し搬送を
している最中、安定枕全体が茶色に染まってしまいました。

もう一件はICUに入っていた故人でしたが、黒っぽい水
って感じの液体をくちから流していました。

そこで相当量の脱脂綿と大きいピンセットで再処置を行い、
ドライアイスで腹部と胸部を凍結させ、逆流を防ぐという
方法をとりました。

遺体は色んな事が起こります。
綺麗な遺体ばかりではありません。
手足が壊死している時はすごい臭いがする時もあります。
そんな時も凍結させて異臭を防ぐことが多いです。
身体全体の時は凍結できませんから、防虫剤の樟脳を入れ
臭いを誤魔化し、更に小天香と呼ぶ僧侶が葬儀で使用する
太くて長い線香を焚いたりする事もあります。

当初はその度に驚き、面食らって、何とか無我夢中で対処
してきましたけど、さすがに10年目で相当数のご遺体と
接してくると大抵の事では驚かないし、事前予測の対処を
したり、予期せぬ事が起きても冷静に対処する自分がいて、
その自分に驚きます。 

自殺遺体、事故遺体、孤独死の腐乱遺体、医療や施設での
不完全な処置遺体、否が応でも経験させられます。
この部分だけは実践経験と、遺体の知識でしょうか・・・

いずれにしても、家族が不安になったり、心配する事無く
葬儀が終わってくれる事が我々黒子の仕事です。

最低人数で全て消化してきた事が、今のスキルに繋がって
いるのは間違いありません。
多少大変な思いはしますが、しっかり身になっている事を
自覚するのが様々なアクシデントの時です。

その意味では『遺体の口が開いてる』とか『目が開いてる』
なんてのは全く問題の無い部分のひとつです。
ちなみに、エンゼルバンドというか、顔をゴム紐で縛って
口を閉じる・・・こんな無駄な事はしませんし閉じません。

初めは依頼した葬儀屋さんの仕事を見て、真似しましたが
意味不明な事をしてたり、無駄な事をしている分部も多く、
いつの間にか、正確な知識を得た上で独自の対処策をとる
事のほうが多くなっています。

また搬送に行くと時々「手際が良いですねぇ」と言われる
事があったり、公営斎場の葬儀が終わると「片付早いです
よねぇ」と言われたりしますが、超零細事業なだけですが、
いつの間にか少数精鋭になっているって事なのでしょう。



葬儀の現場では『習うより慣れろ』だと感じる部分です。



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