前回、自分の人生について考えて欲しいと、下書きをし
たのは26日の午前中の空いた時間でした。
それから仕事をし、ようやく昼食を食べようとしていた
午後5時過ぎ、携帯着信が入っているのを発見、それは
27年前に退職したサラリーマン時代に、部下だった人
からでした。
電話をしてみると、以前勤務していた社長が亡くなった
と聞かされた。「えっ! どういうこと?」と聞き直す。
胃癌らしいが、本当のようです。
僕が入社した当時は7名でしたが、退社した時は30名
からの会社になり、今は全国区の規模になったと言う。
電話をくれた彼にお礼を言い電話を切る。
すぐに当時一緒に役員をし、今も現役の方に電話すると
本当だと言われ、安置されてる施設に来てくれると言う。
駐車場で待ち合せて安置してある部屋に行くと、奥さん、
娘さん、お孫さんがいた。
小学生だった娘さんに孫がいる・・・長い月日が経った。
仕事に関わってない奥さんですが僕の事を覚えていた。
顔当て布を外すと、そこには僕の知ってる社長とは別人
かと思うほど痩せた顔があった。
奥さんの話しではスキルス性胃癌だそうで、PET検査は
していたけど発見できなかったそうです。
暫し家族と話して失礼すると、建物前の椅子に移動して
久しぶりに会った先輩であり、同僚でもあり、上司でも
あった人と話しをした。
 
思えば、退社から四半世紀が過ぎ、お互い60代の老人
と呼ばれても不思議でない年代になった。
僕より4つ年上ですが、相変わらず年令より若く見える。
暫し25年間のお互いの事を話していると、社長の家族
お姉さんと妹さんが来て話しに加わりました。
この中に故人となった社長が加われば、当時のトップが
集まっているようなものです。
お互い懐かしさもあり、暫く話すと2人は今晩泊まりで
きたから交代しなきゃと部屋に行きました。
こんな事になるなら、生きているうちに会いたかったし、
できれば昔みたいに酒でも飲みたかったと言うと、入院
してからは、誰にも会いたがらなかったと聞かされる。
強気一辺倒で来た人だけに、弱った自分を見せたくなか
っんだろうとお姉さんは言ってました。
病室にいつもお姉さんを呼んだそうで、最後には仕事は
しなくても良いから、側にいてくれと言ったそうです。
奥さんでなく、お姉さんを呼んだ理由が分ります。
彼は仕事一筋に生きた人です。
年令を重ねてから、休みは奥さんとゴルフはしてたよう
ですが、仕事の話しができる人ではありません。
お姉さんなら、ずっと一緒に仕事もしてきた人ですから、
仕事の話しもできるし、愚痴も言えるし、弱音を吐く事
だってできる・・・何を話しても安心できる人なのです。
この社長、仕事人として見ると凄い人です。
昔は良く3人で飲みに行きました。 お姉ちゃんのいる
クラブに行くのですが、3人が集まると結局仕事の話に
なり、お姉ちゃんは酒を作る係でいるだけでした。
いつもではありませんが、酔った社長が言います。
「武ちゃんさぁ、俺は一番になりてぇんだよ」
「なりゃ良いがなぁ、日本で一番になりたいんでしょ。
俺らはいつも聞いてるんだから、社員全員の前で言えば
いいじゃん。 ねぇ〇〇さん」と振ると、笑顔で頷いて
くれたのが、今話しをしている当時の上司です。
社内の人は色々あるしょうが、言った事を実現させよう
として、頑張り続けた凄さは尊敬に値します。
間違いなく能力の高い人、僕の器では測り知れません。
組織の幹部は奇数、できれば3人で構成するのが良いと
知ったのもこの時で、関係は『三すくみ』ジャンケンの
ような関係が良いのも分りました。
いずれにしも凄い人なのは間違いありません。
が、死んだら終わりだろ!? とも思います。
勿論、好きで亡くなったわけじゃないけど、今回の死は
僕も考えさせられる事になりました。
亡くなった本人に聞いてみたい・・・
『今、終幕を迎えて良い人生だったと思えるかい・・・』
社長が何て答えるか分かりませんが、こんな所で終わる
予定じゃ無かったよ・・・って言いそうだな。
共に成長を目指した人の死から、ひとつ学びました。
我々は生きている前提でものを考えます。
が、しかし現実は我々の希望など全く関係ありません。
100才を超えて尚、生き続ける人もいます。
志半ばで病や事故で終幕を迎える人もいます。
人生とは今終わるかもしれないし、明日かもしれないし、
数十年後の終幕かもしれない・・・改めて教えられた。
いつ終幕を迎えても、後悔しない人生が存在するかなど
全く分りませんが、仕事人としての人生は、それなりに
満足できる事もあるし、予想と違う流れになってる部分
だってあるだろうし、会社の成長と、孤独感が比例して
いるようにも・・・傍目ですが感じます。
一人の男として、夫として、或いは一人の人間としての
人生はどうだったの?・・・と酒でも飲みながら聞いて
みたかったです。
生きている事が大前提で考える。
当然だとは思うのですが、今回のような現実もある。
どんな答えが出るか分かりませんが、皆さんも今の現実、
今の人生を見直してみるべきかもしれません。
日々のバタバタに追われ、振り返る事さえないでしょう。
自分が本当にしたい事、生きたい人生があるなら、その
実現に向けて動く、、それっていつ、 今!!!
 
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